【スポーツ】渋野日向子からスマイルが消えた日

 女子ゴルフの渋野日向子(21)=サントリー=が苦戦している。英国・米国遠征から帰国後の復帰第1戦、樋口久子・三菱電機レディースは2日間通算5オーバー65位で予選落ち。国内開幕戦のアース・モンダミンカップも予選を通過できなかったので、今季国内では予選通過なし。三菱電機で予選落ちした直後の言葉から悩みの深さが伝わってくる。

 三菱電機2日目の内容はメジャー優勝者とは思えないものだった。2バーディー、3ボギー、2ダブルボギーの5オーバー77。不調の原因はアプローチ、パットのショートゲームの精度が低く、チャンスを拾えず、ピンチをしのげなかったことだ。

 「悔しいです。情けないのひと言です。調子が上がってきた中で予選を通過したい気持ちが強かったので、この結果は受け入れたくないけど、これが実力ですね。何回こんなに悔しい思いを経験しなくてはならないんだろう」

 5番パー4のダブルボギーはグリーン手前からのアプローチの際にインパクトが強く入りすぎてグリーンをオーバー。返しのアプローチもピンを大きくオーバーしたもの。7番パー4のダブルボギーもグリーン奥ラフからのアプローチがピンをオーバーして3オン3パット。8番のボギーはグリーン手前からのアプローチを3メートルもショートした。

 「ショットに関しては自分が思ったように打てる回数が増えている。その分、グリーン周りのミスが目立ってしまった。そこをどうにかしていかないと。ショットだけではどうにもならない」

 ショートゲームの悩みは深刻度を増しているように見える。オフにロフト52度のウエッジを使うパターンなど引き出しを増やす練習に取り組んだが、開幕戦で結果を出せなかったことで、結局昨年までのアプローチに頼らざるを得なくなっているのが現状だ。

 「ダボのところはイメージとしては58度でキャリー半分、半分転がしのイメージだったけど、ちょっと強く入ってしまった。58度じゃなくて他のクラブを使うアプローチも練習したけど、怖いっていうのがある。なかなか自信を持てない。自信がないので、今まで使ってきたものに頼ってしまう。だから前へ進めない」

 全英を制した思い切りいいパッティングも現時点では影を潜めている。象徴的だったのが三菱2日目16番。3メートルのバーディーパットが弱い球足でカップ右へ外れた。

 「もともとパッティングが好きなわけじゃないんですけど、去年がよかったから。(ラインの)読みに対して絶対入るスピードがあると思う。でも、読みに対してスピードコントロールができていない。ストロークのリズムも安定していない。去年がうまくいきすぎた。去年の自分と比べていたら前へ進めないんですけど、比べてしまう自分がいるのが情けないです」

 渋野最大の魅力は、歯切れよく思い切りのいいゴルフ。そして強めのタッチでカップの反対側に当てて沈める、見ていて鳥肌が立つようなパッティング。1日も早く悩みの底から脱出し、世界を魅了したまぶしいばかりのシンデレラスマイルを見せてほしい。

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