【野球】ロッテ・沢村の覚悟と、復活を後押しする井口監督の決断

 電撃的なトレードで巨人からロッテに移籍した沢村拓一投手。今月7日に両球団からトレードが発表され、8日に入団会見。ここまでは通常の流れだが正直、驚いたのが、入団会見を行った8日に早々と1軍のマウンドに上がったことだ。日本ハム戦の六回に登板し1回を打者3人、3者連続三振という圧倒的なデビューを飾った。

 本拠地のお立ち台に上がった右腕は、すがすがしい表情を浮かべてファンに、あいさつした。

 「はじめまして。沢村です。ホッとしました。名前を呼ばれた時の声援は、絶対に忘れません。これからはマリーンズのために腕を振っていきます」

 六回にマウンドに送り出すことを決めていたという井口監督。シーズン中のトレードが決まれば、まず2軍で調整してから、というのがこれまで多く見られたパターン。入団会見の当日に即起用するという思い切りの良さ、その決断は、なかなかできることではない。沢村のロッテ入団が決まった際、「力強いスピードボールで打者を抑え込むピッチャー。今までのウチにはあまりいないタイプ」と語った指揮官。即起用したところに期待が大きかったことを物語っていた。

 自分の力が必要だと求められ、働き場所を与えられた-。今季巨人では13試合の登板にとどまり、3軍降格も味わった沢村。16年のセーブ王が、もがき苦しんでいた。私は11年、沢村のルーキーイヤーに巨人担当をしていた。11勝をマークして新人王を獲得した実績の通り、入団1年目の春季キャンプから衝撃的とさえ言える潜在能力の高さを披露していた。剛速球に加えてスプリット。全ての球種が決め球に見えた。常に打者をマウンドで圧倒するほどの存在感があった。

 ロッテ移籍後、「自分は行けといわれたら行ける準備をしていた。マウンドではただ、ただ思いっきり投げるだけです」と語ってきた沢村。リーグもユニホームも環境も変わった豪腕。先発とリリーフで役割こそ違うが、プロ1年目の輝きを再び取り戻せるか、にも注目したい。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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