【野球】ソフトバンク 本拠地隣に好奇心そそられる施設 支配人の壮大なプラン

 先月21日に、ペイペイドームのすぐ隣にソフトバンク球団が開業させた複合型エンターテイメントビル「BOSS E・ZO FUKUOKA」。コロナ禍のために連日満員とはいかないが、体験型アトラクションにしても、グルメにしても「日本初上陸」や「九州初」のラインナップがずらり揃っており、好奇心がそそられる施設となっている。

 その中でちょっと興味深いのが同ビル7階に誕生した「よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場」だ。

 ホークスとよしもとは見えない運命の糸で結ばれているのかな。ふと、そう思った。

 現球団の前々身の南海ホークスの本拠地だった大阪球場はなんばの中心にそびえ立っており、よしもとの大本山である「なんば花月」(現在の「なんばグラウンド花月」とは別)とは目と鼻の先だった。そのため芸人の中には「鷹党」も少なからず存在した。その代表格が現在も大のホークスファンで知られる間寛平だ。

 福岡新劇場を任された新田敦生支配人も「もともと生まれが南海沿線だったので、子どもの頃は『南海ホークス友の会』に入っていたという。福岡に移ってからもファンだったので、まさかこんな近くで仕事をするというのは縁を感じるし、すごく前向きな気持ちになりました」と笑みをこぼした。

 そんな新田支配人は壮大なプランを口にした。「この舞台に王会長に立ってほしい。お会いした時のオーラの凄さもそうですし、随分昔のことですが忘れられないことがあるんです」

 まだ王監督の時代だ。若手芸人の福岡ロケに同行し帰阪するために空港に到着したところ、ホークスの移動と偶然重なった。王監督のところにはファンが長い列を作り、一人一人に丁寧にサインなど応対していたという。「やっぱ王さんは偉大やな」。感動すら覚えて眺めていたところ、一緒にいた、かつて「ベイブルース」というコンビを組んでいた高山トモヒロが「僕もサインが欲しい」と言って並びに行った。そこで新田支配人は驚きの光景を見た。

「王さんはサインを書こうとしたときに『ん、大丈夫なの? 君はサインをする方だろ』と。え、こんな若手芸人のことを知ってるんやと、本当にびっくりしましたよ」

 王会長がよしもとの舞台に立つという夢のような話が実現するかはともかく、福岡に最大収容500名超の大きな劇場が誕生したことを喜んだのは博多華丸・大吉の二人も同じだった。福岡出身で今や全国区のスターだが、大吉は「いい意味で、東京や大阪ならばまだ舞台に出られない若手の子でも福岡ならば出られるんです。僕らもそうでした。舞台だけで上手くなっていって、独特の進化を遂げる。福岡でしか育ちようのない芸人が必ず育つと思うんです」と力を込める。そこにしっかり華丸が「育成といえばホークスですよ。千賀、石川に牧原。あ、甲斐を忘れちゃいかんですバイ」とお得意のソフトバンクネタを放り込む。「偏ったネタもできますよね。ここでしか出せない自分を見せる場にしたい」と大きな瞳をさらに丸くした。

 この新劇場とホークスのコラボとしては、9月から一部試合日に合わせて「勝手にホークス応援団」と銘打った公演が行われることになっている。

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