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【スポーツ】琴ノ若、先代の父と目指す祖父の相撲 実現楽しみ令和の「琴桜対大鵬」

 角界屈指のサラブレッド、西前頭13枚目の琴ノ若(22)=佐渡ケ嶽=が成長一途だ。幕下を17場所かかって突破し、念願の新十両となったのが昨年5月の夏場所。あと一歩のところで勝ちきれないひ弱さは完全に吹っ切れ、十両4場所はすべて勝ち越して通過し、先場所、新入幕した。

 その先場所、勝ち越しに王手をかけてから4連敗を喫したが、最後の2番を連勝し9勝6敗。“幕尻”で負け越せば即、十両に逆戻りという崖っぷちの中、精神面でたくましさを見せた。祖父で先代師匠、元横綱の琴桜、父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)もできなかった、新入幕で勝ち越しを決めた。

 右四つに組み止め、恵まれた体格を活かした寄り、柔らかい体は父をほうふつ。押し相撲相手には、厳しい立ち合いで応戦する姿は、ぶちかましを得意とし“猛牛”と呼ばれた祖父を思わせる。このまま伸びれば、“最高傑作の3代目”となる可能性も十分だ。

 父は愛息に言っている。「『俺らは先代を超えることはできない。あれだけ偉大な師匠はいない。ただ並ぶことはできるんだ』と。私はもうできないですからね。そこは本人。自分自身との戦い」。先代師匠を追う戦いを温かく見守る。

 理想は琴桜のような速攻相撲。「早い相撲を取れれば琴桜も近くなってくる。そこまではまだまだ鍛え直さないといけない部分はある」と期待を込める。

 血筋に加え、名門部屋の環境が躍進を支える。同部屋の幕内は5人。元大関琴奨菊を筆頭に琴恵光、琴勇輝の兄弟子、さらに弟弟子となる20歳の琴勝峰が新入幕を果たした。「教えてくれる人がいっぱいいる。めちゃくちゃ恵まれた環境」と琴ノ若自身も実感する。

 幼少期より、相撲部屋が家で力士が家族。だからこそ、後輩への面倒見もいい。悩みごとがあれば、積極的に聞いて助言する。「せっかく相撲をやっている。どうせなら嫌な思いはしてほしくないじゃないですか」。部屋を背負っていく責任が常に若者の胸にある。

 初代琴ノ若の父は言う。「1場所でも早く入幕してほしかったし(愛息が)『琴ノ若』と呼ばれるのはうれしい。でも先代を知っている人は早く『琴桜』と呼んでほしい、というのがある。先代師匠は『大関になったら琴桜をやる』と本人と約束したから。納谷3兄弟も誰かが『大鵬』を継ぐでしょうから。いずれは琴桜対大鵬なんてね、楽しみ。(先場所入門の)鵬山は(琴ノ若と)同級生。おもしろくなってくる」。

 大嶽部屋の納谷兄弟の3人は祖父が昭和の大横綱大鵬、父が元関脇貴闘力。三男の幕下納谷(20)、四男の三段目夢道鵬(18)、序ノ口鵬山(22)で誰かが十両に上がれば、琴ノ若に続き“父子3代関取”となる。

 世代を超えた「琴桜対大鵬」には胸が躍る。横綱DNAではさらに、朝青龍のおい、十両豊昇龍(20)=立浪=もいる。新大関朝乃山(26)=高砂=が誕生し、世代交代は進む中、さらに若い世代の台頭も待ったなし。最強横綱白鵬(35)=宮城野=が君臨する間に彼らとの夢対決を見たいものだ。(デイリースポーツ・荒木 司)

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