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【野球】阪神 矢野体制で変わってきた古い“体質”「日本一を必ず成し遂げます」

 2月26日。阪神は26日間のキャンプを打ち上げた。矢野燿大監督が挑む2年目シーズン。チームの成熟度を感じさせたのが、最後の円陣での一コマだった。主将の糸原健斗内野手が中心で声を張る。

 「昨年は3位という結果でしたが、今年はリーグ優勝、日本一を必ず成し遂げます。そして矢野監督を、8回胴上げします」

 これまで「したい」「しよう」が一般的な言い方だが、指揮官は「する」「します」と自ら発信することで、チーム内にあった古い体質を取っ払ってきた。発言1つが注目を集める人気球団。それは宿命でもあるのだが、選手の自主性を鈍らせる遠因でもあった。主将のあいさつを聞きながら、ある関係者が言った。

 「いい光景ですよね。ひと昔前なら『なに生意気なこと言ってるんだ』とか、『偉そうに』とか、そんな空気があった。でも、いまは違う。時代の変化もあると思いますけど、監督の言葉を聞いた選手が、言っても大丈夫なんだと思える環境になったんでしょうね」

 日本一になると決めている-指揮官が予祝するシーズンを前に、徐々にその骨格も見えてきた。先発投手は、既に開幕戦の登板を通達した西勇輝投手を軸に、青柳晃洋投手、高橋遥人投手、新助っ人のジョー・ガンケル投手=前マーリンズ傘下3A=までは、開幕ローテーション入りが確実。残る2枠を中田賢一投手、岩田稔投手、秋山拓巳投手、岩貞祐太投手、藤浪晋太郎投手、小野泰己投手らで争う。

 中継ぎは守護神・藤川球児投手の前を、新外国人のジョン・エドワーズ投手=インディアンス傘下3A=、能見篤史投手、岩崎優投手、守屋功輝投手らが勝ちパターンでつなぐ役割になりそうだ。

 一方、野手陣に目を向けてみると、激しいポジション争いが続いている。このままケガさえなければ、捕手に梅野隆太郎捕手、一塁にジャスティン・ボーア内野手=前エンゼルス=、中堅に近本光司外野手、右翼に糸井嘉男外野手が最有力。遊撃はここまで対外試合9試合、スタメンを張る木浪聖也内野手が一歩リードしている。

 キャンプでは高山俊外野手が、矢野監督からMVPに指名された。キャンプ最終日のシートノックでは左翼に就くなど、球界最年長・福留孝介外野手との併用も考えられる。いずれにせよ外野は新助っ人、ジェリー・サンズ外野手(32)=を含め、5人が中心になる。

 指揮官は、2番に近本を置くオーダーを理想にする。それだけにここでポイントになるのが、トップバッターの存在だろう。オープン戦を通じて適性を見極める方針だが、井上一樹打撃コーチは「監督がそこにこだわっている以上、1番を誰が打つのかが、キーポイントになるね」と思考を巡らせる。

 キャンプ中の実戦では木浪や糸原に上本博紀も1番で起用。2番・近本を不動に、最善の打順を探っている。では、トップバッターに求める役割とは。同コーチの思考はシンプルだ。

 「当然、足の速さであったり、出塁率の高さも必要。でもね、チームを活気付けるような姿、勢いが、何より大切だと思う」

 リーグ優勝、日本一を達成した1985年は真弓明信、2003年の今岡誠(真訪)。2005年の赤星憲広がその役割を務めた。各年で2番以下のメンバーに応じ、形を変えてきたトップバッターの役割。現時点では1番・糸井、2番・近本の“イトチカ”コンビが有力になっている。

 そんな打順を組んでいく上でも、頭を悩ませるのが外国人選手の編成だ。球団史上初めて助っ人8人体制で開幕を迎えるシーズン。制限のある4枠をどう使うか。4番のボーア、方程式の一角を担うエドワーズは外しにくい。

 先発のガンケル、オネルキ・ガルシアや先発、中継ぎ両方可能なロベルト・スアレス、サンズらを、入れ替えながら起用していく流れか。清水雅治ヘッドコーチは「そこは本当に難しい。ギリギリまで結論はでない。最後の最後まで考えます」と話す。矢野監督らベンチの手腕が、勝敗を大きく左右するシーズンにもなりそうだ。

 五輪開催の1年に、新型肺炎の猛威。前例のない日々を過ごしながら、開幕まで3週間を切った。(デイリースポーツ・田中政行)

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