【芸能】アイドルが地元に与える影響と果たす役割

 昨年12月に発生した、当時のメンバー・山口真帆(23)への暴行騒動に端を発するNGT48の大混乱は、いまだ収束の気配がない。先月21日には、加藤美南(20)が自身のインスタグラムに「不適切な投稿」をしたとして、研究生への降格処分が下された。

 NGT48は2015年、AKB48の国内5番目の姉妹グループとして誕生。それまで東京、名古屋、大阪、福岡という超大都市圏で活動してきた同グループの新たな挑戦として注目された。地域密着と地元貢献をテーマとして掲げており、地元自治体や企業と積極的にタイアップを行ってきた。

 選抜総選挙での躍進などもあり、地元にも完全に根付いたと思われた矢先の、今回の騒動。運営側にとって何より痛恨だったのは、3月に発表された第三者委員会の報告書で、騒動の一因に「新潟という地域性」が挙げられてしまったことだろう。運営側は会見でこの点のみ否定したが、そのために報告書に対する信頼度は著しく低下し、運営側の「ダブルスタンダード」も見えてしまった。

 地方都市の“町おこし”として、アイドルが起用される形は増えている。神戸のご当地アイドルグループ・KOBerrieS♪は、1995年に発生した阪神淡路大震災からの、いまだ完全には進んでいない復興をテーマに掲げ、神戸市民のみで結成。徹底的な地元密着を貫いている。先月25日には、名古屋のご当地アイドル・OS☆Uとともに、震災で壊滅的な被害を受けた同市長田区の商店街でライブイベントを実施。小さな商店街に200人のファンが訪れた。

 KOBerrieS♪キャプテンの森島みなみ(20)は「私たちは、この地で阪神淡路大震災の復興のシンボルとしてのグループとしてこれらかも力強く前進して行きたい」と宣言。OS☆Uの星野麻里愛(18)は「OS☆Uと同じく地元愛をキーワードに活動するKOBerrieS♪さんの地元神戸市でこうして一緒にイベントが開催できた事をとてもうれしく思います!」と話した。

 神戸にはNMB48やSTU48、名古屋にはSKE48と、大アイドルグループが居を構える。活動の規模では及ぶべくもないが、その分、地元に焦点を当てた活動はしやすい。NGTに対して、一部の新潟県民は「新潟県のイメージが下がった」という苦情を入れているという。地域に密着し、貢献する方法として、巨大なアイドルグループというあり方は適しているのか、考える時期が来ていると思われる。

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