【競馬】「令和」時代にG1レースのさらなる進化を

 時代は平成から令和へ-。JRAでも新しい元号となり、さらに発展していくために様々な改善点があると思う。グローバル化が進み、ファンのニーズが多種多様になっていく中で、ぜひ令和の時代に取り組んでほしいのが平地G1レースの改善だ。ちなみに平成の期間に出来たG1競走は以下の通りである。

 スプリンターズS(1990年)

 高松宮記念(1996年)

 NHKマイルC(1996年)

 秋華賞(1996年)

 フェブラリーS(1997年)

 チャンピオンズC(2000年)※創設当初はジャパンカップダート

 ヴィクトリアマイル(2006年)

 大阪杯(2017年)

 ホープフルS(2017年)

 現在、JRAの平地G1は24。新たに創設されたものや、G2が昇格したものなど、経緯はそれぞれ違うが、平成の時代に9つのG1が増えたことになる。G1が多過ぎるのでないかという声がないでもないが、賞金が増額される訳だし、決して悪いことではないはず。ただ、刻々と日本の競馬を取り巻く状況が変わって、以前とは存在意義がそぐわないレースが出てきたことも否めないだろう。

 その最たるものがジャパンCとチャンピオンズCではないだろうか。残念ながら国際競走としては、厳しい現実が突きつけられている。ジャパンCは2005年のアルカセットが外国招待馬による最後の勝利。馬券に絡んだのも翌06年のウィジャボードの3着が最後で、それ以降は日本馬による上位独占が続いている。チャンピオンズCでは過去10年に5頭の外国馬が参戦したが、すべて2ケタ着順に終わっている。14年から左回りの中京競馬場で行われるようになったが、今のところ効果的な対策にはなっていない。

 世界に追いつき追い越せで、日本調教馬が強くなったのは素晴らしいことなのだが、それによって外国馬の参戦がここまで極端に少なくなるとは想定外ではなかっただろうか。検疫の問題や、香港、ドバイなど国際競走の選択肢が増えてきたことも大きな要因だろう。JRAの年間の開催カレンダーを変えることはなかなか難しいと思うが、思い切った施行時期の変更など何か対策が必要なときが迫っているのではないか。このまま手をこまねいているのは、何とももどかしい。ピルサドスキー(1997年)やモンジュー(1999年)が来日して、エアグルーヴやスペシャルウィークと激戦を繰り広げたシーンは、いまだに強烈な印象として残っている。できればもう一度、あの熱気を取り戻してほしい。

 今年のG1でフェブラリーS(14頭立て)、大阪杯(14頭立て)、そして天皇賞・春(13頭立て)とフルゲート割れのレースが早くも3つもあった。これが一過性の現象なのかどうか…。頭数が多ければいいという訳でもないが、もともと頭数がそろいにくい宝塚記念など、ついに10頭立て以下なんてことが起きるのでないかと、少し危惧している。(デイリースポーツ・北島稔大)

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