【芸能】樹木希林さん 演技者としての魂…スタッフが語る 黒木華への思いも

 9月15日に亡くなった女優・樹木希林さん(享年75)が出演する映画「日日是好日」が、13日から公開される。主演の女優・黒木華(28)のお茶の先生を演じた樹木さんについて、同作の吉村知己プロデューサー(44)に話を聞いた。

 7月31日に行われた京都での完成披露イベントが、樹木さんとの最後の対面になったという吉村氏は「普段は舞台上では杖は持たない方だったんですけど、京都では杖を手放せない状況でした」と芳しくなかった体調を明かした。樹木さんはその後、8月13日に左大腿骨を骨折して入院、手術。一時は危篤状態に陥りながら、筆談ができるまで回復した。

 入院中の9月4日には東京での作品完成披露イベントが行われた。吉村氏は、樹木さんの親しい知人を介して「(体調が良く)可能なときにコメントをいただければ」と伝えていたところ、9月1日にしたためた直筆メッセージが届けられたという。しかし、体調が戻った場合に出演予定だった10月3日の着物イベント、同13日の初日舞台あいさつへの来場はかなわなかった。

 がんの骨への転移について、吉村氏は知らされていなかったというが、「体調はギリギリだとおっしゃっていました」。それでも、昨年11月から1カ月間の撮影では、自身で車を運転して現場へ移動するなど、周囲には不調を感じさせなかったという。

 樹木さんの今作への思いは強かった。本人へ出演オファーをした吉村氏は「僕や(48歳の)大森(立嗣)監督の若い世代が、お茶の話、日本文化を描こうとしているのを応援したいとすごく言われて…」と振り返った。さらに、黒木にもオファー中だったところ、樹木さんは「黒木華が主演なら出る」と、初顔合わせとなった若手演技派に興味を示していたという。また、実在するお茶の先生を演じるにあたって、バックボーンを教えて欲しいと依頼されたという。

 吉村氏も残念でならないという名優の死。その演技者としての魂は、今後も語り継がれていくはずだ。(デイリースポーツ・大島一郎)

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