【スポーツ】女子バレー世界選手権がまもなく開幕 エース石井優希の願い

 バレーボールの世界選手権が29日から日本各地で開幕する。世界ランク6位の日本代表は、横浜アリーナで1次ラウンド5試合を戦う。

 初戦は29日、世界ランク11位アルゼンチン戦。決勝は10月19、20日と、最長3週間の長丁場だ。日本は今季これまでネーションズリーグが7勝8敗の10位、金メダルを掲げ臨んだジャカルタ・アジア大会は4位とメダルを逃した。それでも中田久美監督は「目標はメダル獲得。変えるつもりはない」と断言。「2020年に伝説に残るチームを作り上げるための、光となる大会にしていきたい。覚悟を持ってチーム一丸となって戦っていく」と力強く誓った。

 その中、自覚を強めているのが2度目の世界選手権に臨む27歳、石井優希(久光製薬)だ。19歳で初の全日本入り。4年前の世界選手権も、リオデジャネイロ五輪も、主力として戦ってきた。まだベテランとまではいかないかもしれないが、もう若手ではない。自国開催の世界選手権へ、「見てくれる方を魅了できるような熱い、粘りある、日本らしいプレーができれば」と意気込んでいる。

 アジア大会では、チームとしてレシーブがセッターにうまく返らず、攻めきれない場面が目立った。帰国後は猛練習の毎日。「崩されたときに、リスクを背負って決めに行くことを練習でやってきた」。2段トスを含め「難しいボールでも打ちにいくのが大事」と力を込める。一方で「私のポジションはサーブレシーブも狙われるし、ディグも大事」と石井。「全体のバランスでは軸としてありながら、攻撃面で積極性を持って行けたら」。少々崩れても強気で決めに行くバレーを意識しつつ、チームの中心としての存在感をこの世界選手権では見せたいと誓っている。

 もう1つ。「ロンドン五輪から今日まで、結果を出せていないのが一番あるんだけど、バレーのファン減ってるのかな…?って考えたりもするんです」。東京五輪を2年後に控える今、バレー人気の“復活”も今大会の大きなテーマだ。

 石井はサッカーを例に挙げ、思いを巡らせた。ロシアW杯で日本中を沸かせた西野ジャパンの記憶はまだ新しい。「すごいプレッシャーのかかる中でも楽しいんだろうなって思った。会場まで来て応援してくれる人がいて、遅い時間でもテレビで見てくれる人がいて。心強いんだろうなって」。あくまでその視線は「一ファンとして」のものという。しかし選手として「サッカーのように日本が一体となって戦って盛り上げられたら、すごく幸せだと思う」と、重ねて見る部分も当然ある。

 もちろん女子バレーも日本代表。日の丸を背負う重みは同じだ。今大会は地上波での中継もある。“女子バレー旋風”を巻き起こせる可能性は十分秘めている。「試合が始まる前に会場を見るじゃないですか。席が埋まっている方が興奮するし、やってやろうと思う。アドレナリンもでる。でもそれ(盛り上がり)は自分たち次第」。

 8年ぶりに日本で開催される世界選手権。8年前はこの大会で銅メダルを獲得し、2年後のロンドン五輪銅メダルにつなげた。「東京につなげる大きな大会。1戦1戦しっかり戦って、それが結果的にメダルとなればいいな」。まもなく幕を開ける“東京五輪前哨戦”。結果はもちろん、石井が望むような環境を作るためにも、重要な戦いとなる。(デイリースポーツ・國島紗希)

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