【野球】広島商、二度と過ちを繰り返さないために…新主将の誓い

 今夏の広島大会で4強に入った広島商は、真鍋駿内野手(2年)が新主将としてチームを引っ張る。1年からベンチに入り経験値は誰よりも多い。個性が強いというメンバーをまとめていく。

 引退した3年生と荒谷忠勝監督が話し合い、新主将が決まった。112期生の中から選ばれたのは真鍋だ。1年からベンチ入りし、今年も2年生のチームリーダーを務めた。全会一致で新主将を任され「大変だけど頑張りたい。チームが良い雰囲気で戦えるような環境をつくっていきたい」と意気込んだ。

 4強まで進んだ今夏の広島大会。頂点を目指した戦いは、野球ができる喜びを実感したものでもあった。4月、部内で暴力行為があり対外試合禁止処分を受けた。主力が多かった2年生が緩慢な態度を取ったことに対して、3年生の指導が加熱。不祥事に至った。

 「2度と繰り返してはいけない。学ぶことがたくさんあった。話をするのはうまくないけど、言わなければいけないことは言っていこうと思う」。苦い経験を糧に心掛けるのはコミュニケーション。選手1人ひとりに目を配り声をかけることを意識する。それが厳しいことであったとしても話をして正しい方向に導いていく構えだ。

 試合では、自身の打席内容が悪かったとしても態度に出さないよう心掛けチームのムードを意識。ベンチでも全員が同じ方向を向くよう誰より声を出す。「自分のことだけを考えていたらダメだから」。その姿勢は徐々にナインに伝わり一体感は増している。

 ナインをまとめながら自身のレベルアップにも余念がない。力不足を実感したのは今夏・準決勝の広陵戦。140キロ台の直球を捉えられない打席が多かった。スイングスピードを上げるために、基礎となる体づくりがテーマ。来春までに体重を7キロ増やし85キロにするのが目標だ。

 「広陵の選手はみんな体が大きい。僕は下半身が細いので太くしないといけない」。高校通算11本塁打。打撃の土台ができれば力強さはアップする。明確な目標があるからこそ厳しいトレーニングをこなすことができる。

 「不安というよりは楽しみな気持ち」。伝統校の主将を引き受けた気持ちを、こう表現した。山があり谷があるかもしれないが、真鍋主将はチームをまとめ強くしていく。(市尻達拡)

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