【野球】日本ハム・栗山監督が高校野球観戦で学んだもの

 夏の甲子園、第100回大会が盛り上がりを見せている中、日本ハム・栗山監督が異例の行動に出た。ペナントレースのまっただ中、現役監督ながら、8月13日の移動日に甲子園に出向き、高校野球を観戦。前日の福岡でのソフトバンク戦で大敗したショックを隠しながら、関西へと向かった。

 第1試合の大阪桐蔭対沖学園戦を熱中視察。特別、大阪桐蔭のドラフト候補を見にいったわけでなく、純粋に高校生が白球を追う姿を目に焼き付けようとしてのことだった。

 当日はかつてキャスターを務めていた長寿番組「熱闘甲子園」にも出演。数日後、忙しいさなかに観戦に出掛けた理由を聞いてみた。「高校野球は自分にとっても原点だからね。『高校野球、ありがとうございます』って、恩返しの意味もあってね、見させていただいたよ」。プロアマ問わず野球への熱い情熱を傾ける監督らしいと感じた。

 その翌日から、まさに高校野球のような1戦必勝の気持ちで指揮しているように思う。監督といえば、選手の力を引き出すことが、うまい監督だと思う。首位攻防初戦。17日の西武戦では高校を卒業したばかりの高卒2年目左腕、堀(広島新庄)を先発で起用。優勝争いのカード初戦の重圧に負けず、強力打線を相手に堂々と投げて、試合をつくった。

 この日は12年の高2の夏に、甲子園ベスト4の渡辺諒(東海大甲府)もスタメンで起用。先制本塁打を含むプロ初の3安打。さらには、母校・横浜高の夏の甲子園での活躍に刺激を受けるように、4年目の浅間も15日のロッテ戦で今季1号2ラン。甲子園期間中は毎試合安打を放つ活躍。高校球児卒業5年未満の選手が必死の姿勢で結果を残した。

 シーズン中も高校野球を観戦するという栗山監督は「ああいう大舞台でプレーすることは選手の成長につながる」と言っていたが、優勝争いをする中で、若手を起用し選手の成長につなげているのだ。

 久々の聖地に出向き、感じたことは。聞いてみると、野球にひたむきに取り組む姿、球場で会う、高校野球関係者の礼節を重んじる姿には感銘も受けたという。「高校野球を見にいって、人としての成長なくして、野球も成長しないと改めて気付かせた。野球に感謝だね」。

 充実かつ多忙な1日を終えた指揮官は、2年ぶりのV奪還を目指し、ファイターズ監督としてタクトを奮っている。「高校野球のトーナメントのつもりで、1戦1戦必死に戦うよ」。首位西武との優勝争い。高校野球に負けない全力プレーを前面に出し、優勝争いを熱くする。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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