【野球】阪神救援陣、好調の秘密は8人制 頭数充実で負担を軽減

 阪神・ドリス
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 阪神は前半戦を3位で終えた。Aクラスで踏ん張った一つの要因として、救援陣の奮闘が挙げられる。昨季は基本的に7人体制だった1軍救援陣を、今季は可能な限り8人体制を維持している。救援防御率3・89はリーグ2位。全35勝のうち3点差以内は22勝で、中継ぎでの勝利は9勝を数える。逆転優勝へのカギを握る救援投手陣好調の理由に迫る。

 現代野球では、投手の分業制が主流となっている。先発、中継ぎ、抑え。任された役割を果たし、次の投手へとつないで勝利を手繰り寄せる。他球団の救援投手は6、7人だが、阪神は基本的に8人体制を敷いている。

 香田投手コーチ「今の野球というのは、後から計算していった方がすごく勝利に近づきやすいところがある。ビハインドの中でも何とか試合を後ろにつなげていって、味方の反撃を待つ。そういう方向に持っていかないといけない」

 実際に、前半戦の全35勝のうち3点差以内での勝利は22試合で、完投勝利は秋山の2試合のみ。また、リリーフ投手が計9勝をマークしている。

 昨季、盤石を誇った救援陣。桑原-マテオ-ドリスと勝利の方程式が固まっていたが、今季は守護神のドリス以外は変動的となっている。ここまで、19投手が救援登板。さまざまな起用を可能とし、状態や相手との相性を見極めて送り込んできた。

 香田コーチ「八回が今年は埋まっていない。能見の配置転換とか若い力など試しているが、まだ適任が決まってない部分がある。そんな中で、球児がユーティリティーに仕事をしてくれているのは非常に助かる」

 前半戦で27投手が登板するなど起用を見れば、全体で補ってきたことが分かる。高橋聡が抹消され、左の中継ぎは岩崎のみとなっていた際には先発の能見を配置転換して補強。結果、12試合に登板して2勝0敗2ホールドと起用に応えた。

 イニングまたぎや抑えなど万能的に稼働する藤川の存在も大きい。ここまで26試合に登板し防御率1・61。「本拠地の球場が広いからじゃないかな」と14試合に登板して被本塁打ゼロで防御率0・59と圧巻の成績を残す。

 救援陣の頭数が充実していることで、負担も軽減される。高橋聡は「7、8人いることで疲労も分散でき、任された場面を全うできている」と語る。

 雨天中止の影響もあり、超ハードスケジュールが見込まれる後半戦。逆転優勝へ、虎の最強リリーフ陣の奮闘が鍵を握っている。(デイリースポーツ・井上慎也)

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