【芸能】テレ東の爆笑会見 暴走・柳沢慎吾を引き立てた西野志海アナのツッコミ力

 会見が終わった瞬間、後ろにいた関係者が漏らした。「エンターテインメントショーだったな」。同感だった。10日に行われたBSジャパンの連続ドラマ「極道めし」(14日スタート、土曜後9・00)の制作会見。出演者の柳沢慎吾が暴走するのはある意味、想定内だったが、そこに“好敵手”が現れた。司会を務めたテレビ東京の西野志海アナウンサーだ。

 囚人たちが刑務所で思い出のグルメについて語り合う異色ドラマ。主演の福士誠治に共演が柳沢、今野浩喜、徳井優、小沢仁志と匂い立つような濃いキャスティングで、前日からデスクが「何かが起こりそうよね!」と“予言”していた。

 いざ始まると、予想を裏切らず、柳沢はロングトークに土下座、投げキッス、決めぜりふの「あばよ!」「いい夢見ろよ!」とフルコース状態の大暴れ。会見終了後にも1人だけ壇上に残り、1人しゃべりの時間は計10分近い慎吾劇場だった。

 ほったらかしでも爆笑なのだが、相乗効果で笑いを増幅させたのが西野アナだった。柳沢が冒頭のあいさつから3分近い長弁舌を展開すると「順調に(時間が)押してまいりました」と、まずはジャブ。話が脱線したときには「記事にしてもらえるといいですね」とまとめ、柳沢が「前から君に言いたいことがある。冗談じゃないよ。遺憾の意を表明する」と政治家のモノマネで返す即席漫才を繰り広げた。

 他にも柳沢がマシンガンのようにボケるたび「記者のみなさんはどうまとめるんでしょうか」「尺がもったいないので」と的確にツッコミ。最後に「大変楽しく、試される会見でした」と試合終わりのアスリートのような爽やかな笑顔で締めくくると、大きな笑いが起こった。

 北海道のテレビ局出身で2016年入社の西野アナは、朝の情報番組「Newsモーニングサテライト」などを担当する一方、海で昭和歌謡を歌うことを趣味にする変わり種。得意の歌声で女性を励ます冠番組も持っていた“隠し球”がさく裂した。

 近年の制作発表は舞台あいさつ形式のことも多く、報道陣が距離を感じることも多い。柳沢が記者に絡むなど和気あいあいとした雰囲気は、まさに金はないけどアイデア勝負を地でいくテレ東らしい印象を受けた。

 制作発表と呼ばれるものには数多く出席してきたが、演者だけ暴走しても、司会だけ悪目立ちしても、見ている側は興ざめしてしまうもの。絶妙なさじ加減での“バトル”に会場は爆笑だった。

 会見冒頭、西野アナはこうあいさつした。「髪型は『極道の妻たち』を意識してきました」。囚人服姿の柳沢と極妻のやり取りに、テレ東が愛される理由を見た気がした。(デイリースポーツ・古宮正崇)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス