【スポーツ】新シーズンは挑戦!北京五輪へ…樋口新葉の第一歩

 フィギュアスケートのシーズン始めは7月1日。22年北京五輪を見据えた戦いが、本格的に幕を開ける。その1日前となる6月30日、千葉市内のリンクでシーズン初戦を戦った世界銀メダリストがいた。

 樋口新葉、17歳。ショートプログラム「エナージア」を初披露し、観客を沸かせた。「十分な練習が積めていない中で、収穫のある試合になった」。笑顔で語るその表情は、希望に満ちているようだった。

 昨季序盤戦。平昌五輪を目指す激戦必須のフィギュア女子界で、誰よりも輝きを放ったのが樋口だった。10月のロシア杯で3位。11月の中国杯ではミスの許されない状況で気迫の演技を見せて2位に入った。初のGPファイナル進出。「絶対に五輪に行きたいから」など、自身を鼓舞するように強気な発言をし続ける姿が、スケーターには珍しい“アスリートタイプ”で印象的だった。

 しかし五輪の最終選考会を兼ねた日本選手権で4位。たった2枚の五輪切符は、その手からこぼれ落ちた。その後の世界選手権で2位入賞。激動の1年に「最後の最後で結果を出せたことがうれしかった」と笑顔を見せた。

 見据えるのは4年後。若干17歳の彼女にとって4年はやはり、とてつもなく長い。しかし“長いようで短い”と言われるその道のりの第一歩を、これまで経験したことのないダンスナンバーで踏み出した。「この2年は挑戦ができる2年。これからの4年で新しい技や表現に挑戦したい」。その思いから、やったことのない振り付けを意図的に入れてもらうなどの要望も出した。

 「最初は全然できなくて、簡単なのに替えてもらうか迷った」というほどハードなステップも組み込まれている。「でも、練習を詰んで思い切り自信を持って滑れるようになりたい」。オフ期間にはフランスやカナダへの“短期留学”も敢行。今は成長、その1点だけにフォーカスしている。

 昨季は6位に終わったGPファイナルで「出るだけじゃなくて表彰台を狙いたい」というのが当面の目標。「全日本の表彰台にもまた上がりたい」と復活を誓った。芸術肌の選手が多いフィギュア界で、“闘魂”をむき出しにするタイプの樋口。力強いガッツポーズと満開の笑顔が見られることを楽しみにしたい。(デイリースポーツ・國島紗希)

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