【野球】広島・西条農「Sの誇り」胸に悲願達成へ

 7月7日に開幕する「第100回全国高校野球選手権広島大会」。西条農は1993年以来25年ぶりの夏の甲子園出場を目指している。今春の県大会では準優勝しており、大舞台へ向けて虎視眈々(たんたん)。不動の1番打者としてチームを引っ張るのは広津幸樹外野手(3年)だ。中心選手としての自覚と責任感を持ってリードオフマンの役割を果たし切り、聖地へと導く決意を示した。

 「チームの軸とも自分でも思っているので、期待に応えられるような打撃をしないといけない」

 もともと「高校に入った時は打てなかった」と話すが、技術練習とともに体もつくり成長。練習中の補食などで体重は7キロ増量、チームとして試合後もウエートトレを行うことでベンチプレスのMAXも入学時の60キロから現在は90キロまで上がった。

 「どの球にも強く振れることが変わった。自分のポイントで引きつけて、軸を残しつつ打てるようになった」。新チーム結成以来、打率・409、盗塁数は99試合で41盗塁とチームトップを誇る。

 先輩たちの思いも力になっている。昨夏はベスト8で広島商に敗れ、夢は散った。広津も出場しており、当時の3年生の表情は今でも忘れない。上級生からは「来年も1番取れるようにチームを引っ張る選手になってくれ」と声も掛けられた。昨年の経験を生かさないわけにはいかない。

 現在のチームのテーマは「Sの誇り」。三浦謙二郎監督(37)は「先輩がいて、お前らがいる。(西条農の)『S』には重みがある。行動に誇りを持ってほしい」と昨冬前に部員に説いた。広津も帽子のつばに記しており、その誇りを胸に戦いに挑む。

 三浦監督も広津をキーマンの一人に挙げており、「よく、『県で一番の打者になれ』と言っている。打撃のセンスもいいし、細いけどパンチ力もある」と期待を込める。今春敗戦を喫した相手・広島新庄や昨夏の県覇者・広陵らもひしめく中、25年ぶりの悲願へ向けて戦が始まる。(デイリースポーツ・田中哲)

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