【スポーツ】カド番大関高安、名古屋場所で意地爆発なるか 新大関栃ノ心の活躍に刺激

 大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)は大関昇進1年となる高安(28)=田子ノ浦=の成長に期待だ。自身から1年遅れて新大関となった栃ノ心(30)=春日野=との“角界頂上パワー勝負”で意地を爆発させたい。

 左上腕部筋肉の部分断裂で先場所を全休した高安は、リハビリ中、テレビで幕内の全取組を注視した。中でも栃ノ心から気付かされたものが多かった。

 「肩の力を抜いていつもと違う相撲ファンの一人として見ていました。(観客が)どういう相撲が喜ぶかというのが分かった。取ってる本人は分かるようで分からない。客観的に見られた。安定感あるファンを引き付けるのかが分かった」。

 栃ノ心といえば怪力の左上手から右四つで豪快な寄り、投げはど迫力。外四つの吊(つ)り上げは代名詞ともなり、観客を大いに沸かせる。力自慢の高安にとってもハートに火は付いた。

 「安心して見られる相撲。自分もすごく勉強になった。盤石の相撲は見ていてファンを引き付ける」。

 幕内対戦は9勝(1不戦勝含む)7敗ときっ抗。かつて栃ノ心はがっちりとつかんだ伝家の宝刀、左上手を切られた相手を2人挙げた。横綱白鵬に加え、高安だった。剛力ながら、併せ持つ高い技術を互いに認め合っている。

 高安は新大関の昨年名古屋場所で9勝止まり。新世代の旗手として初優勝、横綱に近いと目されながらその後、右太ももを痛めるなど苦しんだ。初場所、春場所で連続12勝を挙げ準優勝と復調したが先場所はまたも右肩、左腕を痛めて離脱を余儀なくされた。

 協会に看板の責任を背負い、なお結果を出す厳しさを味わった1年。「悪いこともいいことも経験できた。ここからまた経験を生かして名古屋へ向けやっていく。(パワー大関対決は)やりがいがある。勝った時の喜びは違うでしょう」。カド番ながら、そろそろ初優勝の予感も十分。豪栄道も含め3大関の綱とりレースも見ものだ。(デイリースポーツ・荒木 司)

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