【野球】広島・飯田哲矢、プロ4年目の挑戦 サイドスロー転向の現在

 上体をかがめて真横から左腕を振る。サイドスロー挑戦から約7カ月。広島・飯田哲矢投手の新投球フォームが板に付いてきた。

 「試合だと力に頼って、上体が上がってしまうことがある。低くということ意識して体の柔軟性を鍛えています。いやらしくなってきたかなと思います」

 昨秋、首脳陣からサイドスロー転向を勧められ、不退転の覚悟でこだわりのオーバースローに別れを告げた。当初は「いろんなところに痛みが出た」と言うが、コンディションが上向くにつれて体もサイドスロー仕様に。理想はソフトバンクの嘉弥真。“左殺し”襲名を目指して、レベルアップに励んでいる。

 「左打者は結構抑えられるようになってきた。左のワンポイントだけでなく、1軍では敗戦処理からだと思うので、右打者も抑えられるようにしないと」

 今季、同じ中継ぎ左腕では中村恭や佐藤が1軍で存在感を発揮。飯田も1日に今季初の1軍昇格を果たした。だが、登板機会は訪れず、チーム事情から翌2日に出場選手登録を抹消された。中継ぎ陣は開幕からフル回転。疲労も見え隠れするだけに、飯田が食い込む余地はありそうだ。

 プロ4年目は勝負の1年だ。ルーキーイヤーこそ16試合に登板し防御率2・65を記録。貴重な中継ぎ左腕として存在感を示したが、2年目は2試合、昨季も8試合と登板数は伸び悩んだ。「1軍での居場所を見つけるためには変化しないといけない」。サイドスロー転向は過去2年の低迷から脱却する絶好の好機と捉えている。

 2軍ではここまで16試合に登板し、防御率2・70。直球の球速は140キロ前後とオーバースローの頃よりは落ちたと言うが、スライダー、シュートの威力は健在。何より打者が嫌がる、球の出どころが見えづらい投球フォームに手応えを得られるようになってきた。

 「左打者は絶対に抑えないといけない。自分がやってきたことをやるだけ、どれだけ出せるかです」。1軍再昇格を見据えて、左腕は準備を整えている。

(成績は6月12日現在)

 (デイリースポーツ・杉原史恭)

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