【野球】侍ジャパン稲葉監督の言葉を胸に、奮闘する東京五輪日本代表候補たち

 2020年東京五輪日本代表候補たちが、集結した舞台から約1カ月半がたった。3月3日(ナゴヤドーム)と4日(京セラドーム大阪)にオーストラリア代表と対戦した「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」。日本代表は、今年初の国際大会で2戦2勝と幸先のいいスタートを切った。

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督がもたらしたのは、その結果だけではない。現役時代から国際経験が豊富な百戦錬磨の男は、侍たちに重要なメッセージを授けた。4日の試合前のミーティング。指揮官は「『1』というのを大事にしてほしい」と熱い口調で力説した。

 投手なら初球、1イニング目、先頭打者、野手は1スイング目、1歩目を大切にする。1球で勝敗が大きく左右する国際大会。初戦も重要になる。そこに集中して臨んでほしい。そのためには日々のたゆまぬ努力、徹底した準備が必要になる-。それを伝えたかった。「シーズン中に意識してやればできること。日ごろやっておけばできること」と指揮官。その言葉を選手たちは心にとどめ、今季しっかりと実践していた。

 豪州戦でも日本代表の守護神を務めた山崎康晃投手(DeNA)は「響きましたよね」として、言葉をつないだ。「開幕の1球だったり、初球。ここぞの1球という時は集中してます。ユニホームを着て投げる1球は、それほど重いものだと思う。大事にしていくことは、これからも必要なことだと思います」と語った。

 侍ジャパンのメンバー入りした松本剛内野手(日本ハム)もその一人だ。3月4日の豪州戦では2安打3打点と躍動した。日本代表にとって、内外野をこなせる貴重なユーティリティープレーヤーだ。松本は言う。「1球目、1打席目。大事にしないといけない。1球目、1打席目は誰でも訪れること。気持ちを入れていかないといけない」。当然、試合だけではない。「本来は無意識にできるのがいいんですけど。試合よりも練習に入る時ですよね。練習では特に意識してやっています」。練習の一歩目を大事にし、集中して取り組んでいる。

 今回、日本代表のメンバー入りした田口麗斗投手(巨人)は「初球、その日の動き出し、一歩目。大事だと思っていました。(シーズン中も)つなげていけたら自分のためになると思う」と言葉に力を込めた。

 3月の豪州戦後、稲葉監督は2020年東京五輪を見据え、「今回の選手を軸にしていきます。このチームというのを、まず土台にしてやっていきたいと思います」と明言した。イズムを注入され、その言葉を胸に奮闘する“稲葉チルドレン”。今季を含め今後、さらなる経験を積み、進化を遂げた侍たちが、金メダル獲得という最大のミッションを目指す。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス