【野球】広島・新井、護摩行での生活

 今月11日、快晴の大阪から車を2時間走らせると、山頂には銀世界が広がっていた。標高800メートルを超える世界遺産・高野山。気温はマイナス6度。神々しい雰囲気が漂う高野山清浄心院で広島・新井、石原、会沢、堂林が護摩行に臨んだ。

 約1時間半、無心で約4メートルの高さまで燃えさかる炎と向き合う。護摩木は昨年より1000本多い3000本を数えた。2年連続で参加した堂林は新井の隣でお経を絶叫。荒行を終えると、真っ赤な顔に痛々しいやけどの跡が残っていた。

 「昨年に続いて今年もきつかったです。昨年護摩行をやらせてもらったのに結果が出なかったので、自分にはまだまだ足りないと思った。今年こそ優勝に貢献できるようにチームの輪に入りたい」

 報道陣に公開されたのは1日だけだが、今年も護摩行は2泊3日の日程で行われた。他の時間は何をしているのかあまり知られていないが、充実のひとときを過ごしたようだ。

 初日は池口恵観住職(81)と5人でお茶を飲みながら、じっくり語らったという。今年、住職が4人に贈った言葉は「一球闘心」。「1球1球に心を込めて頑張れ」との意味が込められており、直筆の色紙が手渡された。

 2日目は近くの学校を訪問。その後「奥の院」など高野山の名所を巡り、世界遺産を散策したそうだ。昨年までの鹿児島から場所を移し、高野山で護摩行を行うのは今年が初めて。「空気、雰囲気が違う。別世界」。新井は雪化粧した世界遺産から、特別なパワーを感じ取っていた。食事は魚介類、肉類を用いない精進料理。ごま豆腐や煮物などがお膳に並ぶ。薄味だが、堂林は「おいしかったですよ」と満足顔。寺での生活も貴重な経験だ。

 護摩行を終えた4人は現在、マツダスタジアムで合同自主トレに参加し、キャンプインへ向けて、体を仕上げている。昨年護摩行に初挑戦した会沢はゴールデングラブ賞に輝くなど大きく飛躍した。堂林は「今年こそ」と燃えている。新井、石原のベテランコンビも元気だ。リーグ3連覇を目指す今季も4選手から目が離せない。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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