【サッカー】「今までのセレッソにいないタイプ」異彩放つ18歳FW安藤瑞季の挑戦

 昨季ルヴァン杯と天皇杯の2冠を制したJ1C大阪が始動し、16日からタイ1次キャンプを行っている。日本代表FW杉本健勇(25)ら選手30人が参加する中で、一人の高卒ルーキーが抜てきされた。長崎総合科学大付高から加入したFW安藤瑞季(18)。15日に大阪市内で開かれたチーム始動記者会見では「できるだけ早く試合に出てスタメンの座を勝ち取りたい。年齢は関係なく、はい上がっていきたい」と、新人らしからぬ力強い言葉で意欲を燃やした。

 東京五輪世代の安藤は昨年度の全国高校選手権では3得点を挙げ、世代別代表にも招集されるなど“世代最強FW”の呼び声も高い。複数のJクラブから注目を集め、プロ入り前にはFC東京、長崎、仙台の練習に参加。昨年11月にはC大阪の練習にも参加した。紅白戦では主力組のDFマテイ・ヨニッチ(26)らと対峙(たいじ)。粗削りながら鍛え抜かれた下半身で高校生離れした当たりの強さを見せるなど、“練習生”以上のインパクトを与えた。

 C大阪で高卒新人が開幕スタメンに名を連ねたのは13年のFW南野拓実(23)=現ザルツブルク=のみ。当時の南野は前年の天皇杯清水戦で高校生ながらプロ初得点を挙げるなど結果も残していたが、安藤には当然そういった実績はまだない。さらにC大阪の最前線には杉本に加えFW柿谷曜一朗(28)、浦項から獲得した元韓国代表FWヤン・ドンヒョンらが控えるなど層が厚く、高卒ルーキーが1年目からピッチに立つことは容易ではない。安藤の“スタメン奪取宣言”を伝え聞いた尹晶煥監督(44)は「最初はみんなそう言うでしょう」と優しく微笑み、「レギュラーになるのは簡単なことではない。見守っていかなければいけない」と長い目で成長を注視していく考えを示した。

 それでも、武骨なストライカーが発する雰囲気に期待は高まる。大熊清チーム統括部長(53)が「今までのセレッソにいないタイプ」と話し、U-19日本代表の影山雅永監督(50)も「今時珍しく野性味が残っている」と評するプレースタイルは、洗練された選手の多いC大阪でひときわ異彩を放つはず。「物怖じせず、エネルギッシュでタフな自分のいいところを出していきたい」と目を輝かせる“桜の蕾(つぼみ)”が、新たな花を咲かせる。(デイリースポーツ・山本直弘)

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