【野球】DeNA・ラミレス監督の新たな一手 競争激化させる真の狙い

 昨年のポストシーズンでDeNAが、旋風を巻き起こしたのは記憶に新しい。リーグ3位から下克上で阪神、広島を撃破し、19年ぶりの日本シリーズに進出した。投手を次々とつぎ込む“マシンガン継投”など度肝を抜く采配を振るったアレックス・ラミレス監督が、新たな一手を打ち出す。

 2018年を「重要な年になると思います」と位置付けた指揮官は、こう続ける。「いろんな人が、DeNAに対して高い期待をすると思う。僕としてもただ選手にポジションを与えるんじゃなくて競い合って、ポジションをつかみ取る形になればと思います」と厳しい表情を浮かべて明言した。

 昨季は外野3人などレギュラーをがっちりと固定し、どんなに打てなくても、不振に陥ってもスタメンで使い続けた。だが今季は少し違う。現時点でレギュラーを確約している野手は左翼・筒香、中堅・桑原、一塁・ロペス、三塁・宮崎だけ。「これ以外は基本的には競争になると思います。特に外野は競争になってくると思います」と早々と予告している。

 激化しそうなのが右翼のポジションをめぐる争い。昨季のライトのレギュラー・梶谷は137試合に出場し21本塁打、21盗塁をマークした。その一方で打率・243、両リーグワーストの157三振を喫した。指揮官は「安定性を欠いた。ずっと不動のレギュラーでやっていくのは厳しいところはあったと思う。梶谷本人も認識していると思う」と奮起を促した。

 今季の右翼のレギュラー候補は3人。梶谷に加えて、高卒1年目の昨年、日本シリーズにも出場した規格外のパワーを誇る細川。そしてドラフト2位・神里(日本生命)も候補だ。

 昨年1月には早々と石田を開幕投手に指名。だが今年は今永、石田、浜口、ウィーランドを候補にし、3月中に結論を出す方針だ。

 監督就任から2年連続でチームをAクラスに導いたラミレス監督。3年目の今年は、厳しさを前面に出すことになりそうだ。教訓もあるのだろう。ソフトバンクとの日本シリーズで敗退した直後に指揮官は、こう話した。「レギュラーとバックアップの差。バックアップで出ていく選手が予想通り活躍できなかったというところが、結構ありました」。し烈な競争を選手たちに求め、チーム力の底上げをしたい考えがあると見た。

 逆に言えば、サバイバルを強いるだけの戦力がそろってきたということでもある。1998年以来、20年ぶりのリーグ制覇を狙う今季。チームを動かすラミレス監督の手腕にも注目したい。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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