【野球】ヤクルト大引、若手の台頭に期待も定位置譲らん

 来季でプロ12年目を迎えるヤクルト・大引啓次内野手は今季、腰痛、左膝痛、左肩痛に悩まされ、自己ワーストの80試合出場にとどまるなど悔しいシーズンとなった。チームは遊撃が固定できず、若手の台頭も目立たなかった。定位置を譲るつもりはないが、「チームの未来を考えると、若手が出てこないと」と発奮を促した。

 今季、遊撃の先発出場試合数は大引の75試合が最多。法政大の後輩でもある西浦が32試合、シーズン後半に頭角を現した奥村が25試合、広岡5試合、谷内2試合と続く。広島は田中、DeNAは倉本が143試合、中日は新人の京田が134試合に遊撃で先発出場しているのだから、物足りない数字と言える。おまけに全員20代だ。

 他球団の現状と自チームの差。大引にも思うことがあった。「3年後、5年後とヤクルトが強くなるためには、若い選手が出てきてくれることが大事。夏場に三木さん(当時は1軍ヘッドコーチ)と話をして、『それは啓次が考えることじゃない』と言っていただいて。でもいつまでも僕が出ているのはチームとしては良くない」。ヤクルトの未来を思うだけに“世代交代”が頭をよぎる。

 大引は腰痛などの影響もあり夏場に2度、出場選手登録を抹消された。33歳とベテランの域に達し「ケガをしやすくなっている。ケアを怠らず、年齢と相談してうまくやらないといけない」という。チームメートで同学年の坂口に「若い頃からケガと闘っているのに、1年間恥じることない成績を残している。それを目の当たりにしているだけに」と刺激になっていることを明かした。

 フィールド上で選手に声掛けをするなど、キャプテンシーを発揮する大引は「球団の方ともお話をさせてもらって、戦力として見ていただけている。それはとても有り難いこと。プレーヤーである以上はチームに貢献しないといけない」。自身を脅かす若手の台頭、成長に期待をするからこそ「正直負けている気はしないですし、僕がまだまだやらないといけないと思う」と来季も定位置を明け渡すつもりはない。

 オリックス、日本ハムと渡り歩き、ヤクルト在籍4年目を迎える2018年シーズンへ。「(自身も)遠慮することはない。チームが良い方向に向くようにやっていきたい」。遊撃の定位置争いは、もう始まっている。(デイリースポーツ・疋田有佳里)

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