【芸能】インディーズの大物・スカートがメジャーデビュー【上】バンド名は女の子的なものへの憧れ
ポップミュージックを知り尽くしたソングライティングと陰影ある歌詞、独特の歌唱がインディーズシーンで人気を博してきた澤部渡(29)のソロプロジェクト(公式サイトでは「不健康ポップバンド」)「スカート」が18日、アルバム「20/20」でポニーキャニオンからメジャーデビューを飾る。
といっても、存在感はとっくにメジャー級だ。今年、橋本愛、永野芽郁、染谷将太が主演した映画「PARKS」の挿入歌や、山田孝之主演の地上波連ドラ「山田孝之のカンヌ映画祭」のエンディングテーマを担当。これまで仕事をしてきたアーティストにはスピッツ、ムーンライダーズ、曽我部恵一BAND、川本真琴らがいて、企画したカーネーションのトリビュートアルバムには森高千里や岡村靖幸が参加した。
インディーズ最後のアルバム「CALL」のセールスは6000枚超。CD不況の今、この数字に及ばないメジャーのアーティストは珍しくない。今年はFUJI ROCK FESTIVALにも初出演した。
そんなスカートが9月4日、大阪で関係者向けのコンベンションライブを開催。有望なアーティストを紹介するために行われるコンベンションライブを「都市伝説だと思っていた」と驚き、「音楽を続けていて良かった」と喜ぶ姿が印象的だった。ついにメジャーシーンに姿を現す大物・スカートの単独インタビューを、3回に分けてお送りする。
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-初めてスカートとして活動したのは。
「大学(昭和音楽大)1年の時なので、2006年くらいに」
-名前の由来は。
「完全に後付けなんですけど、すごく女の子的なものに憧れがあるんですよ。例えばそれこそ本当にスカートとか、そういうものに憧れはするんですけど、自分が身を投じた時にそれは成立しないだろう、みたいなのがあって。憧れの象徴として、バンド名として名乗るぐらいだったら許されるだろうということですかね」
-ロールモデルはありましたか。
「ロールモデルっていうのがあんまりなくて。色んなものの複合的な像は見えていたんですけど。最初始めた時は何もわからないで、ただただ曲ができるからこれを何とかしようという感じだと思いますね。そういう(多作な)タイプでもないんですけど、曲ができてしまったからにはどうしよう?みたいな。
僕、yes,mama ok?というバンドがすごく好きで、金剛地武志さんという、今、俳優もやっている方がやっているバンドなんですけど、そのバンドが1人で多重録音でアルバムとか作っていて、そういうのへの憧れはすごく強くありましたね」
-曲を作り、パフォーマンスする上で、他に影響を受けたアーティストは。
「(曲作りでは)大学生の頃に本当によく聴いたムーンライダーズの影響は、かなり大きいと思いますね。(パフォーマンスでは)ライブのアクションとか見てても、前例がないじゃないですか、僕みたいな体形のは。それでどうにもならない部分はあるんですけどね。岡村靖幸さんのDVDとか、繰り返し見たりしていましたね」
-ムーンライダーズの好きなところは。
「難しいですね。歌詞がすごく好きなんですよね。曲も本当に好きなんですけど。(鈴木)慶一さんだったり(鈴木)博文さんだったり、それぞれのメンバーの詞が強烈だなと思います。曲も素晴らしいんですけど」
-岡村さんは。
「岡村さんは、ああいう脳内で鳴ってるであろうサウンドが実際に音になっているみたいなのが、メチャクチャ面白いんですよね、聴いていて。ライブだとそれが違う方向にスパークする瞬間があって、いいなあと思いますね」
-体形の話が出ましたが、ステージ上での振る舞いについてどう考えていますか。
「太っているっていうことを売りにしたりとかは、あまりしたくないんですよ。それこそ女の子に対する憧れが強いからスカートって名乗ったように、直接的な表現ではやりたくないっていうか。自分が太っているっていうコンプレックスとかを、例えば笑いものにして売り出すとかはあんまり得意じゃないんですよ。小規模だったら得意ですけどね。大々的にそういうのを表現するっていうのはちょっとあんまり得意じゃないんですよ」
-失礼ながら、今の身長体重は。
「168センチで、体重は一応、公称130(キロ)半ばということにしています」
(【中】に続く)