【スポーツ】小国と田中恒成の化学反応 相乗効果で新たな一面に期待

 9月13日にエディオンアリーナ大阪でダブル世界戦を行うIBF世界スーパーバンタム級王者の小国以載(角海老宝石)とWBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(畑中)が3日、東京・大塚の角海老宝石ジムで2ラウンドのスパーリングを公開した。

 7月には、ワタナベジムのWBA世界ライトフライ級王者の田口良一とIBF世界ミニマム級王座に挑戦した京口紘人が試合の約10日前に8ラウンドのスパーリングを行った。小国と田中は試合まで1カ月以上あるとはいえ、こちらも異例の顔合わせだった。

 テレビ局の企画で行われたスパーリングではあったが、なかなか見ることのできないチャンピオンの交流は興味深かった。小国いわく「マスボクシング(本気で打ち合わないスパーリング)ですよ」だったが、小国は鋭いジャブ、田中は素早いステップと、互いに持ち味を出し合う見応え十分の2ラウンドだった。

 スパーリングの手合わせは初めてという2人は、すぐに意気投合した。小国が「速いし、フェイントあるし、カウンターあるし、ややこしくらい強い。接近戦でうまく打たれた。そこら辺は取り入れたい」と言えば、田中も「ジャブがすごい。中に入れないし、かいくぐって入ればカウンターを打たれる。すごい上手。やられました」と互いに褒め合っていた。

 田中が小国を評して「緻密に練り上げられたボクシングという印象がある。やってきた練習を試合で出すというのは、相手が違うのでかなり難しい。小国さんはそれを出す力がある」と言った。冗談めかした発言や、コスプレなどのパフォーマンスに目を奪われがちな小国の、ボクサーとしての本質を見抜いていた。

 チャンピオン同士のつかの間の触れ合いが、テレビの企画で終わることなく、いい意味の“化学反応”を起こしてくれないだろうか。相乗効果で新たな一面を見せてくれることを期待する。(ボクシング担当・津舟哲也)

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