【野球】低迷する巨人 貧打脱却への道は…

 チーム打率・243と39本塁打はいずれもリーグ5位、213得点はリーグ最下位。交流戦を終えて、借金7の4位と低迷している巨人の打撃データだ。

 打力に陰りが見え始めたのは、リーグ3連覇を果たした14年。阿部ら主力の高齢化が進み、チーム打率・257はリーグ5位と苦しんだ。15年には同・243とさらに下降し、4年ぶりのV逸。昨季は坂本勇や村田が復活して同・251と上昇傾向となったが、今年は再び低調な成績。前任の原監督時代から4年間、貧打脱却の道を模索している。

 球団ワーストの13連敗を喫した、6月6日からの西武3連戦。巨人のコーチとして、14年までのリーグ3連覇に貢献した西武・橋上野手総合コーチに話を聞くと、「巨人だけでなく、広島以外のセの打線はパに比べると圧力を感じない」と印象を語った。

 パの打者と比べ、総体的に劣るスイングスピード。原因はどこにあるのか。橋上コーチはあくまで持論と前置きしながら、練習に取り組む上での“意識”を一例に挙げた。

 「パはドラフトで何人かの目玉投手が入り、150キロ超は当たり前。その投手にもまれながら、打者はどうしたら攻略できるかを考えてやってきた。ジャイアンツの打撃練習を見ると3球目くらいまでは慣らし程度に軽く振り、その後もミート中心。変化球を当てる技術は上がるのかもしれない。西武はミートより、強く振ることを重視している」。

 スイングスピードの違いは、巨人から日本ハムに移籍した大田も口にしていた。左脇腹を痛めてリハビリ中だった4月中旬、室内練習場で一心不乱にバットを振り込む姿があった。「脇腹をやったのは初めて。ハムの選手はみんな、振るんですよね。自分も強く振らないと、という意識がありました。知らず知らずのうち(左脇腹に)負担がかかっていたんだと思うんです」。新天地では、持ち前の豪快さを取り戻して8本塁打。巨人時代に長打か確実性か、悩み苦しんでいた大田のスイングは消えている。

 長引く貧打の要因は世代交代が進まないチーム事情やドラフト戦略の失敗など、複合的な要素が絡んでいることは間違いない。ただ、巨人をよく知る男たちの“視点”にも、課題解消へのヒントがありそうだ。(デイリースポーツ・佐藤 啓)

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