【芸能】倉木麻衣 「Mステ」十二単歌唱の裏側

 歌手の倉木麻衣が、14日放送のテレビ朝日系音楽番組「ミュージックステーション」に出演し、十二単(ひとえ)で新曲「渡月橋~君 想ふ~」を披露した。出演者たちは階段を下りて登場するのが恒例だが、「階段下りられない倉木麻衣」のテロップとともに、すでに歌唱場所にスタンバイしている姿が映し出される異例の演出だった。特別なVTRまで準備され、お値段800万円、重量24キロの衣装だと紹介。関係者に取材すると、特別な衣装のため歌唱は困難を極めたという。裏側を追った。

 出演者たちが次々と階段から現れ、この日の全員が集合したかと思いきや、倉木の名が告げられた。第一声は「階段下りられず、すいません」。十二単をまとい、NHK紅白歌合戦に出演した際の小林幸子の巨大衣装を思わせる、いい意味で違和感の残る姿が映し出された。

 映画「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」の主題歌で、京都や百人一首などをイメージした新曲のため、倉木は和装に近い衣装でのキャンペーンを続けている。十二単はMVで着ているものと同じだが、それ以外の場で着用し、歌唱するのは初めてだった。

 十二単は、平安時代に身分の高い人々が儀式の際に着ていたもので、現在は、皇室の婚礼時などに着用される。衣装を担当した宮廷装束研究家で株式会社「弥栄」の福呂一榮氏によると、今回のものは皇室の仕立て方と同じ仕様で、デザインには「源氏物語と同じ、文様、色目がある」という。

 あまりに本格的なものだったため、倉木の演出もさまざまな角度から検討された。階段を下りられないため、歌う番手はトップバッター。マイクをどうするかも、実際的な動きや見栄えの問題から試行錯誤があったという。着るには約1時間かかるため、会場入りの時間を調整し、楽屋からスタジオに向かう際は裾をスタッフ5人がかりで支えて大移動。番組開始の約10分前からスタンバイし、紹介されるのを待っていた。

 関係者に聞くと、パフォーマンス前、倉木は「宇宙から地球に降り立ったくらいの重さを感じます。一言でいうと“重い”ですが、みなさんの“思い”を乗せて歌います」とユーモアたっぷりに意気込んでいたという。なんとも、あっぱれな歌“姫”。高貴な衣装が似合うわけだ。(デイリースポーツ・古宮正崇)

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