【野球】苦境にも前向きな日本ハム・栗山監督「苦しみは絶対、成長につながる」

 プロ野球が開幕した。パ・リーグに目を向けると、想定外のことが起こっているというのが率直な思いだ。昨年の日本一チーム、日本ハムがスタートダッシュに失敗。ソフトバンクの下位低迷。今季の優勝候補本命の2チームが苦しんでいる。

 日本ハムのここまでの苦戦、理由は明白だ。大谷、中田、主力リリーフのマーティン、ムードメーカーの杉谷…、ケガ人が開幕直後に続出したことに尽きるだろう。

 連覇へ向けて、万全の準備をしてきたように見えた。春季キャンプを取材し、練習に取り組む姿に、慢心はなかったように思う。4月13日のソフトバンク戦前、春の季節が訪れているのに、札幌ドーム周辺は吹雪となった。珍しいことが起こるように、計算できなかった災難としか言いようがない。栗山監督も選手のためにと開幕前、十分すぎるぐらいに無病息災を祈っていた。

 3月21日だった。三重・伊勢での試合前日。栗山監督は伊勢神宮を半日以上かけて参拝。お祈りするのに正しい方法を下調べまでする念の入れようだった。朝から伊雑宮を回り、内宮、外宮と時間をかけて、野球ができることへの感謝の思いや、全選手が1年、無事ケガをせず過ごせることを祈った。選手のためなら何でもするという思いはなんとも栗山監督らしいと思った。

 献身的な神頼みも通用しないのか。無難なスタートを切るかと思いきや、まさかの苦難の船出を強いられ、泣きたい思いは人一倍強いだろう。それでも栗山監督は「プロ野球ってこういうことがあるんだよ。これをプラスに変えなきゃいけないんだ。この苦しみは絶対、選手の成長につながる」と、言った。

 育成の日本ハムらしくケガ人が出ても、ドラフト2位ルーキーの石井(早大)や、2軍から上がってきた高卒5年目の森本、3年目の清水が将来性を感じさせる活躍を見せた。指揮官は若手の成長につながる期間と前向きに捉えている。

 栗山監督は今後のチームの立て直し策を問われると、「俺の気持ちを忖度(そんたく)してくれ」と、苦笑いを浮かべ答えた。まだ、冗談も言える。苦境も修行、成長につながる場と考える前向きな姿勢。栗山ハムはまだまだ、連覇は狙えるチームだと思った。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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