【芸能】話題の360回転座席を体験 その効果はいかに 日本初の試み

 俳優の小栗旬(34)が主演する劇団☆新感線の舞台「髑髏(どくろ)城の七人」(30~6月12日、東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京)の公開稽古が30日、同所で行われた。話題の豊洲市場の向かい側にある劇場は日本初となる、360度回転する円形客席の舞台。客席の周囲にセットが組まれ、場面転換ごとに客席が動く形となっている。実際に体験した“回る客席”の効果とは。

 「客席が動く」というと遊園地でのアトラクションや、最近登場した4Dでの映画上映などが思い浮かぶが、「-ステージアラウンド東京」はそういうものではなく、客席がまるごと方向を変えるシステム。2010年にオランダのアムステルダム郊外の飛行場跡地にある格納庫の劇場で誕生した。日本の劇場は世界で2番目に同システムを採用してオープンしたもので、円形の客席をぐるりと取り囲むようにセットが設置され、場面転換のたびに客席が次のセットの方向を向くようになっている。

 一部ではあるが、実際に公演を見て感じたのは間の良さだった。通常の舞台ではどうしても場面転換をするのにタイムラグが生じるが、同劇場ではその時間が少なかった。さらに幕の代わりとなっているスクリーンに映像を映し出し、時にはその前で俳優が演技を続けるなどしていたため、見る側の心が小休止することが無かった。山本耕史(40)は「スクリーンの効果で間口が狭くなったり広くなったりいろいろな表現ができる」と評価している。

 観客は集中を途切れさせることが無ければ、よりストーリーに没頭できる。劇団☆新感線のようにテンポのいい芝居になれば、さらにスピード感は増すのではないだろうか。ただ、大変なのは出演者たち。転換のたびにセットからセットへと移動しなければならないのだ。古田新太(51)は「広すぎる。おいらたちはセットの外を移動しているので、一周300メートルくらいあるんじゃないかな」とあきれていた。小栗も「とにかく大きすぎて、大変な劇場ですね」とコメントしている。出演者側の負担はなかなかに大きいようだが、ここは一つ体力を付けて観客のために頑張ってほしいと思う。(デイリースポーツ・澤田英延)

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