【野球】楽天・茂木、15票差で逃した新人王 来季はフルイニング出場目指す

 今季5位の楽天でチームトップの打率を残したのは、ルーキーの茂木だった。入団1年目で開幕から遊撃の定位置を獲得。規定打席にも到達し、アベレージは・278。プロ野球史上24年ぶりとなるシーズン2本のランニング本塁打をマークするなど、新人としては文句なしの成績。先日の契約更改でも、球団の新人野手では最高タイの167%アップの査定を手にした。

 そんな茂木が、わずか15票差で新人王を逃したのは、残念でならなかった。野手としてリーグ18年ぶりの新人王獲得に期待が高まっていたが、日本一を果たした日本ハム・高梨の前に、僅差で屈した。しかし、タイトルを逃したとはいえ、残した実績と奮闘は、色あせるわけではない。来季以降に十二分に期待を持たせるものだった。

 茂木は「来年は143試合、そして全イニング出場したいという思いがすごく強い。戦力として出続けるのは大変なことであり、すごいこと。チームに必要とされるからこそできること」とフルイニング出場を最優先の目標に定めた。フル出場は、プロとして一流の指標のひとつだ。

 今季117試合に出場した茂木は、離脱は6月下旬の試合中の不慮の負傷によるものだけだ。アマ時代に経験のなかった遊撃のポジション。ただでさえ負担の大きい守備位置だけに、身長171センチの小さな体には、当然のことながら疲労は目に見えて蓄積していた。「あいつはこちらが休ませてあげないと、どこまでもやり続けてしまう」と、梨田監督はじめ首脳陣が口を揃えるほどだったが、何より「試合に出続けること」を信条とする茂木は、遊撃のレギュラーを誰にも渡さなかった。タフな肉体と、それを支える強じんなメンタル。不動の主力として、早くもチームを引っ張る覚悟は芽生えている。

 一生に1度のタイトルは手にできなかったが、さらなる勲章を手にするチャンスは、これからいくらでもある。「まずはチームの勝利に貢献すること。チームの勝利を思っていれば、自分の成績も上がる。試合に出続けていれば、結果的にタイトルを狙える位置にいられると思う」と静かに意気込む。2年目となる2017年、茂木の存在感をもっともっと知らしめてほしい。(デイリースポーツ・福岡香奈)

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