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【野球】龍谷大平安、W主将でセンバツへ

史上初めてWキャプテンとしてチームを引っ張る龍谷大平安の市岡(左)と橋本(右)
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 創部107年目の大変革-。春夏通算4度の全国制覇を誇る龍谷大平安が、新チームからWキャプテン制を敷いた。原田英彦監督(55)は4番・橋本和樹内野手(2年)とエース・市岡奏馬投手(2年)を指名。現代教育の影響で“競争心”を失い、キャプテンシーを持つ生徒が少なくなった。強固な組織力を誇る強いチーム作りへ、伝統校が概念を吹き飛ばして新たな試みを始めた。

 主将は1人-。そんな固定観念を1908年創部の伝統校が取り払った。投打の柱をそれぞれキャプテンに指名し、練習では1日交代でチームを引っ張る。その狙いを原田監督は「今の子たちは自分が浮くことを恐れてしまう。残念ながらそういう時代になっている。それを分散させるため」と明かす。

 教育概念が一昔前と変わったことでキャプテンシーを持つ生徒が少なくなった。小・中学校時代に競争心を排除し、運動会でも明確な順位付けをしなくなって久しい。そんな現代教育の影響からか、子供はグループの輪、コミュニティーから外れないようにすることを第一に考えてきた。

 当然、主将として厳しいことを言えば仲間たちから浮いてしまう。自ら嫌われ役となることに二の足を踏んでしまう。「強いチームはそういうこと(嫌われ役になれる)ができる人間がいた。そんな選手たちがチームの中心にいた」と原田監督は力を込める。

 14年の春に同校で初めてセンバツを制したチームがそうだった。河合主将を中心に、誰もが忌憚(きたん)なく悪いところを指摘できた。高校野球はトーナメントの一発勝負が主流。心のスキ、考えの甘さが敗北に直結する。「その厳しさがないと、試合終盤の怖さを乗り越えて、トーナメントを勝ち抜けない」と指揮官。精神的に強いキャプテンが、チームをグイグイとけん引できるのは理想のチームとも言える。

 ただ、時代は間違いなく変わった。そんな現代気質の子供たちをチームとして機能させるために、主将、副主将という従来の態勢ではなく、Wキャプテン制を敷いた。「1人が強いことを言って浮くことがないように。2人にすることで、厳しさを持つ選手が3、4人と増えていくように。みんなで楽しくやろうじゃなくて、厳しさを持ってね」。エース・市岡と4番・橋本が強い精神力とキャプテンシーを持って練習、試合に臨んでいく。

 そこに他の選手が導かれることで強固な組織力を構築できる。実際に新チームは圧倒的な強さで京都大会を制覇し、来春センバツの重要な参考資料となる近畿大会(17日~、滋賀県皇子山球場)出場を決めた。

 橋本は「自分がチームの中心となって。自分が悪くなったらチームの中心にはなれない。もっと成長しないといけない」と語る。エースの市岡も「自分が『1』番を背負っている。マウンドで弱いところを見せないようにしないといけない。練習でも自分を追い込んでいかないといけない」と力を込めた。

 3年連続となるセンバツ出場へ-。1回戦は18日に和歌山2位の高野山と対戦する。Wキャプテンが引っ張るチームは確かな組織力を兼ね備えつつある。(デイリースポーツ・重松健三)

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