高校生レスラー竹下が不退転の大学受験

 レスリングでの20年東京五輪挑戦を視野に入れる高校生プロレスラー、DDT・竹下幸之介(18)の受験が迫ってきた。大阪市立咲くやこの花高3年の竹下は、東京の体育系大学への進学を希望。合格すればレスリング部へ入部予定だが、希望大学の1学部しか受験しないといい「一発勝負。落ちたら浪人です」と不退転の決意を明かした。

 試験は2月初旬の2日間で行われ、国語、英語、運動の実技で50メートル走と腹筋がチェックされるという。「実技も別の日にやり直しはありません」。勉強の追い込みが必要な上、ケガも禁物の竹下だが、入試直前の1月26日にDDT後楽園ホール大会に参戦。しかも、宮本裕向&木高イサミの保持するKO‐Dタッグ王座に挑戦する大一番だった(3WAY戦のため、飯伏幸太&ケニー・オメガも挑戦)。

 先輩の遠藤哲哉(22)と組み、ベルトを狙った竹下は、先輩たちにひるむことなく立ち向かった。リングでは受験のことは忘れた。陸上の混成種目でも五輪候補と目された186センチ、91キロの肉体で躍動。抜群のバネで宮本、オメガに続けざまに放ったジャーマンスープレックスはブリッジが高く、えぐい角度で爆発。敵のはずの飯伏とともに、木高に対して決めたドロップキックも美しい軌道を描いた。

 最後はパートナーの遠藤が飯伏&オメガに捕まり敗退。竹下は「結果が欲しいんで、勝ちだけにこだわった」と悔しがりながらも、「負けは反省するけど、下は向かない。前を見て頑張る」と強気のコメントを残した。

 やることなすことで大物ぶりを発揮する18歳は、大会後にようやく高校生らしさ?をのぞかせた。入試の実技を思い出して、「ケガしなくて良かった」と安どの表情。また、合否判定Aと聞いた報道陣から「じゃあ、大丈夫だ」と言われると、「Cでも受かる人がいるんですよ。ということはAでも落ちるんですよ。何かやばい気がします」と珍しく弱気だった。

 それでも、小学生時代に全国レベルの強豪が集まる関西少年少女選手権で上位常連だったレスリングへの再挑戦へ向け、第一歩となる合格は本人や関係者には念願だ。かつての指導者も竹下の素質を買っており、6年後へ向けた“競技復帰”は歓迎されている。

 「プロレスラーからアマレスラーも面白い」「大学に行けたら、部活に打ち込みたい。トレーニングしていないと耐えられない」と話すアスリートに無事サクラ咲くか‐。(デイリースポーツ・大島一郎)

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