【朝原宣治の目】リレー侍バトンミスはなぜ起きたか

 男子400メートルリレーメンバー(左から)多田修平、山県亮太、桐生祥秀、小池祐貴
 男子400メートルリレー決勝 バトンパスに失敗する第1走者の多田修平(右)と第2走者の山県亮太=6日
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 「東京五輪・陸上男子400mリレー・決勝」(6日、国立競技場)

 6日に行われた男子400メートルリレー決勝でリオデジャネイロ大会銀メダルの日本(多田修平、山県亮太、桐生祥秀、小池祐貴)は1走から2走へバトンが渡らず途中棄権した。イタリアが37秒50で初優勝。英国が0秒01差の2位。3位はカナダで37秒70だった。

 山県選手が出るのが早すぎたのか、それとも多田選手の後半が持たなかったのか。ただリオデジャネイロ五輪のときもそうでしたが、ぎりぎりで届くバトンパスということがあります。

 百戦錬磨の山県選手が早く出ることはあまり考えられません。おそらく練習のときにぎりぎりのバトンパスをしていて、意外と多田選手の最後が持たなかった、ということかもしれません。

 タイムで言えば全体で8番目での決勝でしたし、どこかを改善しないとメダルに届かないことは、みんなの気持ちの中にあったはずです。攻める気持ちでいかないと、という追い込まれた感覚もあったと思います。

 今持っている力を出し切らないとメダルには届かないということで、覚悟を決めていたのではないでしょうか。というのもバトンパスのときに山県選手はまったく緩めていませんでした。普通は渡らないと思うと徐々に力を緩めたり、減速したりしますから。

 結果をしっかり受け止めて次に進まなければいけませんが、パリへの仕切り直しとなるとかなりエネルギーが必要になります。大切になってくるのは分析と経験。パリまでにどんな状況でも競り勝てる強さを身につけていく、ということしかないと思います。(2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰・朝原宣治)

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