「心の健康」で棄権続いた女王バイルズが銅メダル 大歓声に包まれ笑顔の完ぺき平均台
「東京五輪・体操女子種目別平均台・決勝」(3日、有明体操競技場)
リオ五輪4冠でアメリカのスター選手であるシモーン・バイルズ(24)=米国=が出場した。登場から関係者のスタンディングオベーションと大歓声に包まれて登場。選手紹介の際には緊張した面持ちながら、歓声に笑顔で応えた。
演技は圧巻だった。台上での回転技や、アクロバットもほぼ完ぺきに決め、着地を決めると心臓をちょっとだけ抑え、満面の笑みを浮かべた。得点は14・000点で銅メダル。帰ってきた女王を会場の関係者は総立ちで称えた。
リオ五輪に続く、複数金メダルの期待が懸かったバイルズは、今大会では予選で全種目の決勝進出を決めた。だが、27日の団体決勝で跳馬を行った後、メンタルヘルス(心の健康)を理由に団体のその後の種目を棄権。「もう自分自身をあまり信用していません。年齢も関係しているかもしれない。もう自分が出続けてメダルを失うリスクは冒せなかった。チームのために棄権する必要があった」と説明した。個人総合、種目別ゆか、段違い平行棒、跳馬の決勝すべてを欠場していたが、最後に平均台への出場を決断した。
世界屈指のスター選手の復帰の注目度は高く、スタンドの前方の席は各国の関係者によって埋め尽くされ、無観客開催ながら、有観客さながらの状況となった。登場から米国選手団から大歓声がとび、「選手の演技中には声を出さないよう静かな応援をお願いします」など観客用のアナウンスが響いた。