「兄は五輪メダリスト&弟は世界王者」の夢実現 田中恒成「とても良い試合でした」

兄・亮明の勝利を喜ぶ田中恒成(前列右から2人目)。前列中央は父・斉氏=多治見市役所(畑中ジム提供)
準々決勝で死闘を繰り広げる田中亮明(右)=両国国技館(撮影・高部洋祐)
勝利を飾るも、試合後車椅子に乗せられる田中亮明=両国国技館(撮影・高部洋祐)
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 「東京五輪・ボクシング男子フライ級・準々決勝」(3日、両国国技館)

 五輪初出場の田中亮明(27)=中京高教=が4-1の判定で、ユベルヘンエルネイ・マルティネスリバス(29)=コロンビア=を破り、メダルを確定させた。ボクシング男子フライ級で日本選手がメダル獲得するのは、1960年ローマ五輪の田辺清の銅メダル以来61年ぶり。

 初回は相手の手数に押されたが、2回以降的確な左ストレートで反撃。最終3回のポイントを完全に押さえ、4強入りを決めた。

 田中の弟でプロボクシング世界3階級を制した前WBO世界フライ級王者の田中恒成(26)=畑中=は岐阜県多治見市役所で古川雅典市長や後援会メンバーとテレビ観戦で声援を送った。兄がメダルを確定させると「とても良い試合でした。1ラウンド負けていて、2ラウンド、3ラウンド巻き返すことは地力がないとできないこと。メダルのかかった試合で相手のマルティネス選手が兄のために退場時にロープをあげてくれたところが素晴らしかったし、オリンピックの良いところだと思う。次があります。『まだ終わってないよ』って言いたいですね」とエールを送った。

 兄は五輪メダリスト、弟は世界王者という夢が実現した父・斉氏も感慨深げ。「ザ・ボクシングやったね。諦めない心がすごかった。亮明を誇りに思う。次も同じようにストロングスタイルを貫いてほしい」と話した。

 亮明の百美夫人は都内の実家で観戦。「昨日は一日選手村ツアーをしてゆっくりしたようです。1ラウンド、打たれてヒヤヒヤしましたが、2ラウンド、3ラウンド、田中家の『根性』が出ましたね。次も試合を楽しんで最高の試合をしてほしいです」とコメントした。

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