三浦、歴史的7位 3000m障害で日本勢初入賞 日本選手49年ぶり決勝で粘りの快走
「東京五輪・陸上男子3000m障害・決勝」(2日、国立競技場)
男子3000メートル障害決勝で19歳の三浦龍司(順大)が8分16秒90の7位となり、この種目で日本勢初の入賞を果たした。女子5000メートル決勝は広中璃梨佳(20)=日本郵政グループ=が福士加代子(ワコール)の記録を16年ぶりに0秒38縮める14分52秒84の日本新記録を樹立して9位になった。
歴史的な走りは19歳がやってのけた。三浦は序盤で先頭に出るなど積極的なレースを展開。次第に先頭集団からは遅れたが、終盤は前を走る選手を猛追し、日本勢初となる7位入賞を達成した。レース後は「入賞はできたんですけど正直悔しい気持ちもある」と貪欲に語りつつも、「しっかり走りきったかなと思います」。充実の表情も浮かべた。
若きエースの快進撃が止まらなかった。7月30日の予選では、自身の日本記録を更新する走りで全体2位。日本勢の決勝進出は49年ぶりの快挙だった。決勝では「想像をはるかに超えた速さだったので、ちょっと突っ込んでしまった」と世界のトップ選手に惑わされもしたが、自国五輪で入賞。走り終えると日本国旗を背中にまとい、「すごく光栄なこと。すごく大切な経験になる」とかみ締めた。
3000メートル障害は、通称『サンショー』と呼ばれる。障害や水濠を乗り越えるハードな種目は、「すごくマニアックというか、あまり浸透していない競技」。自身の活躍で「注目度も上がる」と競技を背負う気持ちで五輪に挑んでいた。予選では今年3度目の日本新記録を達成。注目を集め、「『サンショー』は自分の個性が出せる唯一の種目。自分の出せる力を出し切るまでこの競技に向き合いたい」と笑った。
大健闘の7位も、満足はしていない。「3年後のパリオリンピックを目指しているので、そこで7位以上(が目標)。納得できる走りを突き詰めていきたい」。まだ19歳。その底力は図りしれない。