古川高晴が個人でも銅「歴史に名を残せた」 次はパリ五輪!全種目メダル獲得に意欲
「東京五輪・アーチェリー男子個人・3位決定戦」(31日、夢の島公園アーチェリー場)
男子個人3位決定戦で古川高晴(36)=近大職=は湯智鈞(台湾)を7-3で下し、銅メダルを獲得した。2012年ロンドン五輪個人銀、今大会の男子団体銅に続き、自身3個目のメダル。準決勝は粘ったもののガゾズ(トルコ)に3-7で敗れていた。
古川はこの競技で日本選手最多となったメダルを笑顔で首にかけ「歴史に名前を残せた。アーチェリーに古川ありと思わせることができた」と誇った。
準決勝で敗れた瞬間に「もう次」と切り替えた。勝った自分、負けた自分の気持ちの変化を試合前から想定し、高揚も落胆もなく精神を制御する。3位決定戦では、神髄である無心で放った最後の1本が70メートル先の中心を射止めた。メダルへの欲も点数も頭にない。「理想の撃ち方」だけを求め、同点からの第4、第5セットは30点中29点で強さを示した。
初出場の04年アテネ五輪では目の前で山本博が銀メダルを獲得し「銀で安心した。金だと追い越しようがない」と思ったほどの生来の負けず嫌い。過去の五輪から帰国後も休みは時差調整の1日だけ。年齢を重ねても長時間練習や50ポンドの弓の強さを変えない。
所属先の監督から「一日くらい早く帰って子どもを抱いてやれ」と言われても弓を引く手を止めなかった。トップ通過を逃した3月の五輪代表選考会後は、故障のリスクを承知で50本増の1日500本を打ち込んだ。
36歳。的に狙いを定める視線の先に次の目標も見えてきた。「(パリ五輪で)ミックスを取りたい」。混合団体を含めた全種目のメダル獲得へ意欲を示した。