大野将平 井上康生監督退任に涙「監督が大好きで尊敬している」有終飾れずも胴上げ

 混合団体決勝で芳田司(手前)が敗れて銀メダルに終わった日本(撮影・堀内翔)
 記念撮影をする(左から)大野将平、阿部一二三、高藤直寿(撮影・堀内翔)
 混合団体決勝に訪れた阿部一二三、高藤直寿、阿部詩(撮影・堀内翔)
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 「東京五輪・柔道混合団体・決勝」(31日、日本武道館)

 五輪初採用の混合団体で、日本は決勝でフランスに敗れて初代王者は逃し、銀メダルだった。今大会で任期満了となる日本男子の井上康生監督(43)の最後の指揮で、有終の美を飾ることはできなかった。

 大トリに控えていた主将の大野将平(29)=旭化成=だったが、自身に出番が回ってくる前に立ち尽くしたまま終わった。「何の巡り合わせか(抽選で)大将になって、『運命を感じてドシッと構えてくれ』と(監督に)言われたが、この素晴らしい舞台で自分の柔道を見せることはかなわなかった。最後に井上監督を男にしたかったが、かなわなかった。主将として責任を感じる」と口を真一文字に結んだ。

 幼少期に初めて見た五輪が、井上監督が金メダルを獲った2000年シドニー大会。大野自身は、井上監督1年目の13年に日本代表に初めて選ばれた。

 「井上監督体制と共に私の柔道人生はありました。そんな監督の下、五輪2連覇できたことは自分の柔道人生において一番の誇り」

 最後の指揮となった混合団体で、有終の美を飾ることはできなかった。大野は目に涙を浮かべながら、「最後に金メダルを掛けられなかった申し訳なさが強いが、それすらも受け止めて『笑顔で、胸を張ってこい』と言ってくださる井上監督を、選手全員が大好きですし、尊敬してますし、これで(井上体制が)終わると思うと、なんとも言えない気持ちになります」と声を詰まらせた。

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