フェンシング金 4選手が一夜明け会見「ふわふわして夢のよう」「信じられない」

金メダルを手に笑顔の、フェンシングエペ男子団体の(左から)宇山賢、加納虹輝、見延和靖、山田優(代表撮影)
金メダルを手にポーズを決めたフェンシングエペ男子団体の(左から)宇山賢、加納虹輝、見延和靖、山田優(代表撮影)
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 東京五輪で日本フェンシング界悲願の金メダルを獲得した男子エペ団体メンバー、主将の見延和靖(34)=ネクサス、山田優(27)=自衛隊、加納虹輝(23)=JAL、宇山賢(29)=三菱電機=の4人が31日、都内で一夜明け会見を行った。

 4剣士を一つにしたチーム「エペジーーン」。見延は「僕たちの中で合言葉の一つで、たくさんの思いが込められている。気持ちを込めてエペ陣でなく“ジーーン”と伸ばす。僕たちを見てもらう人にジーーンと感動を届けるんだという意味を込めて愛称を付けています」と力説した。

 北京五輪の際はソフトボールで「上野の413球」が流行語にもなったが、年末の流行語大賞にも意欲。「今後、小さな幸せだったり、小さな親切があった時に『今、エペジーーンとした』、みたいな使い方をしてもらえたらみんなもエペジーーンの仲間入りです」と笑わせた。

 フェンシング界初の偉業を達成した4剣士は夢心地。世界ランク4位の山田は「ふわふわして夢のような感じ。(お祝い)メッセージが来るたびに実感が湧いてきてうれしい」とかみしめた。

 チームをまとめてきた最年長の見延は「前回のリオ五輪は個人のみの参加でさみしい思い。自国開催の東京で団体戦で出場して金メダルを獲ると5年間思い続けた。夢が昨日、かなったけど信じられない気もする」と、笑みを浮かべた。

 最後の勝敗を担うアンカーで最年少の加納は「朝起きて、手元に金メダルが置いてあり実感が湧いた」と言えば、補欠から昇格し大仕事を果たした190センチ長身の宇山は「最初は交代選手だったけど、ピスト(試合を行う台)の上で悔いを残さず出し切った」と、胸を張った。

 ヨーロッパで生まれ、近代五輪の始まった1896年の第一回大会からある競技。フルーレでは08年北京で太田雄貴が銀メダル、12年ロンドンでも団体で銀メダルを獲得したが、エペが越えた。

 「キング・オブ・フェンシング」と呼ばれ、競技人口が最も多い種目。得点となる有効面が全身で最も広く、アジア人の体格では不利と言われてきた。その評価を覆した。

 見延は「突破口はアジア人のフットワーク力だと思っていた。先輩たちの姿、歴史を見てポイントを取れていたのはフットワーク。さらにフットワークを強化していけばと思った」と言う。身長173センチと最も小兵の加納は「今回の五輪に出ていたメンバーの中で1番か2番目に低いけど、身長を生かし、メリットととらえ、低いなりに勝負しようと思った」と話した。

 見延は剣士らしく本番用の剣がある。過去3度、W杯で優勝した剣を今回も使用した。「剣は細かくパーツで分かれ、同じものを2本作れない。その剣は今までの中で一番しっくりきていて、その剣がたまに試合の前日に呼びかけてくる時があって、持つとすごくフィーリングが合って、この剣が使ってほしそうにしているなと伝わってくる。今回の五輪でもその感覚があって、前々日まで試合に使えるかと思ったけど前日、剣の方の調子が上がってきた」と、エピソードを明かした。

 歴代先輩らが築いてきたからこそ、つかんだ栄光。主将の見延は「たくさんの先輩がいて引き継いだだけ。引き継いだことがチームができあがった要因。僕らなりの歴史を積み重ねた結果。次回のオリンピックでは個人、団体の2冠をしたいと思っています」と、さらに上を目指し意気込んだ。

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