【高島規郎の目】伊藤美誠 感性で卓球できることが世界王者になれる要素

 「東京五輪・卓球女子シングルス・3位決定戦」(29日、東京体育館)

 女子シングルス3位決定戦で第3シードの伊藤美誠(20)=スターツ=はユ・モンユ(シンガポール)を4-1で下し、この種目では日本女子初の表彰台となる銅メダルを獲得した。伊藤は水谷隼(木下グループ)と組んで金メダルを獲得した混合ダブルスに続く2つめのメダルとなった。

 ◇  ◇

 日本初の女子シングルスのメダルだが、伊藤は銅では全然、納得していない。涙を見せるほど悔しいと思う気持ちが彼女をさらに成長させる。伊藤は感性で卓球ができる。練習でしたことがないプレーも直感的に試合で出せたりする。指導者から見るとそういう指導はなかなかできない。そこに伊藤が世界王者になれる要素がある。まだまだ成長できる。

 準決勝の中国側の伊藤対策は万全だった。武器のスマッシュがブロックされていた。中国選手同士の練習は全部ドライブでスマッシュは打たない。だからドライブにはめっぽう強いが、スマッシュに弱い面があった。しかし、スマッシュを返す対策ができていた。

 孫穎莎は今までにない新しいサーブを出していた。中国のトップクラスのサーブはスイングスピードが速く、インパクトが強い。飛んでくる時間が短いので、横回転か下回転かの判断が難しかった。普段の伊藤ではあり得ないサーブレシーブでのミス連発が響いた。

 優位に進めていた第2ゲームを取っていれば、展開は分からなかった。9-3から8連続ポイントで逆転を許したが、タイムアウトを取ったのは9-7。ワンテンポ遅れたことで相手の勢いを止めることができなかったのは残念だった。

 団体戦を残すが、伊藤の調子は上向きだ。シングルス3位決定戦の後半はすばらしいプレーだった。平野も団体に懸けている。シングルスは準々決勝敗退の石川だが、団体戦は強い。レベルの高いチームワークで混合ダブルスに続き、女子団体では中国を破ってもらいたい。(1975年世界選手権男子シングルス銅メダリスト、近大名誉教授・高島規郎)

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