「東京五輪・重量挙げ・女子４９キロ級」（２４日、東京国際フォーラム）

　１２年ロンドン、１６年リオデジャネイロの２大会連続五輪メダリストで、谷亮子と並ぶ５大会連続五輪代表の三宅宏実（３５）＝いちご＝が出場。競技生活の集大成と位置づける大舞台でジャークで３回の試技で記録を残せなかった。競技後、「完全燃焼です」など思いを語った。

　グループＡの三宅はスナッチでは１回目で７４キロを挙げたが、２回目、３回目は７６キロを失敗。ジャークで９９キロを２回続けて失敗。最後の３回目も９９キロがあげられなかった。

　競技後には「完全燃焼です。しばらくは重たいもの、持たないと思う。体をしっかり休めたい。ひとまずもう、出し切っちゃった」と語った。取材エリアでは涙も見られた。「最後いけると思ったけど、気持ちの弱さが出ちゃった。こういう終わり方かって、不甲斐なさもあった」と語った。

　五輪代表選考の過程では度重なるけがに苦しみ、開催国枠での出場だった。「開催国枠がなければ出場できなかった」と悔いもにじませつつも「与えられたチャンスを最大限生かして頑張りたい」と決意表明していた。

　「中国、インド、米国の選手はトータル２００キロを超えてくる。非常に厳しい現状」と冷静に立ち位置を見つめた中での出場。それでも「試合は何が起こるか分からない。１つでも順位を上げたい。一日一日を大切にして、（競技人生）２１年間の総まとめ。悔いのないようにしたい」と有終の美を飾るべく、努力を積みかさねてきた。

　身長１４７センチと小柄。父は重量挙げでメキシコ五輪銅メダルの三宅義行、伯父はローマ五輪銀、東京、メキシコシティー五輪で金の三宅義信。２０００年シドニー五輪をきかっけに重量挙げを始め、父から学んだ。

　０４年アテネ大会で五輪初出場。０８年北京五輪は４位。１２年ロンドン五輪で２位に入り、女子重量挙げ初のメダルを獲得。史上３組目の日本選手親子メダリストとなった。１６年リオ五輪では腰痛を抱えながら出場し、３位。２大会連続メダルを獲得した。