旗手・八村塁 堂々大役「日本中が誇り高く思えるようなプレーを」
「東京五輪・開会式」(23日、国立競技場)
1964年以来2度目の東京オリンピックが23日、天皇陛下の開会宣言によって開幕した。新型コロナウイルスの感染拡大による史上初の1年の延期を経て、57年ぶりに首都に帰ってきた夢舞台は、前代未聞となる緊急事態宣言下での開催となった。開会式の直前までスキャンダルにも見舞われ、国民の機運もなかなか高まらない中で迎えた受難の大会。聖火の最終点火者はテニス女子の大坂なおみ(23)が務めた。アスリートの、スポーツの、そして日本の力が試される17日間が幕を開けた。
45年ぶりに五輪出場を果たしたバスケットボール男子のエース、八村塁(23)=ウィザーズ=が開会式に参加し、レスリング女子の須崎とともに日本選手団の旗手を務めた。手を振り、明るい表情を見せながら選手を先導した。
八村は日本オリンピック委員会(JOC)を通じて「夢に見ていた舞台でプレーできることがとても楽しみです」とコメント。身長203センチでベナン人の父と日本人の母を持ち、バスケットボールの最高峰米NBAで活躍。大会コンセプトである「多様性と調和」の象徴として抜てきされた。
中1から競技を始めた八村が夢見たのが、NBA選手になることと五輪に出場することだった。「一生懸命チーム一丸となって日本中が誇り高く思えるようなプレーをしたい」と八村。夢をつかんだその長い手で、がっちりと日本国旗を掲げるなど、胸を張って堂々と大役を務めた。