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ポスト沢だ!17歳・成宮唯

2012年5月25日

世界一を目標に掲げる成宮唯。カメラの前でリフティングを披露して、あどけなさの残る笑顔を見せる(撮影・吉田 風)

世界一を目標に掲げる成宮唯。カメラの前でリフティングを披露して、あどけなさの残る笑顔を見せる(撮影・吉田 風)

 スポーツ紙で最も早く中学時代の沢穂希を「天才少女」として特集したデイリースポーツが、今度は「未来の沢」を青田買いする!JFAアカデミー福島所属の成宮唯は京都生まれの17歳。昨秋のU‐16(16歳以下)アジア選手権で優勝&MVPに輝いた逸材は現在、U‐17(17歳以下)日本代表の主将を務め、今秋アゼルバイジャンで開催されるU‐17女子W杯(9月22日~10月13日)で世界一を目指す。JFAアカデミーは東日本大震災で練習拠点を失い、静岡県内へ移転。福島で人の優しさに触れた。ひと回りもふた回りも成長した金の卵を直撃した。

▼6歳で少年団に

 「極道の妻たち」の岩下志麻。「仁義なき戦い」の菅原文太…。銀幕スターの名演を生んだ時代劇の聖地で、成宮唯はサッカーに出会った。

 東映の太秦(うずまさ)映画村から南へ700メートル。太秦小学校の運動場を拠点に活動する太秦サッカー少年団でボールを蹴り始めたのは、6歳のころ。国士舘大サッカー部出身の父・健志さん(46)は「娘にサッカーをやらせる気なんて、全くなかった」と当時を振り返る。迷わず少年団に入った2人の兄を見て育った末っ子の唯は「私もやりたい!」と入団をせがむでもなく、小学2年に進級する直前、「あの子が勝手に入団手続きをしてきよったんですわ…」(健志さん)。

 身長154センチ。小顔で脚長が定番の平成生まれとしては、小柄だ。一流を志すアスリートなら、なおさらハンディにもなる。それゆえ、なのか、獲物がデカいほど燃える。“少年”団でしのぎを削った少女の負けん気は、本物だ。

 「制覇」を飼い始めたのは11歳の秋。「せいは」でも「セーハ」でもなく、「制覇」が正しい。

 成宮唯(以下唯)「京都の実家にオスのチワワが居るんです。太秦(少年団)で全国制覇できなかったので、悔しさを込めて、漢字でそう名づけました」

 愛犬に願掛けのネーミングをする。そんな彼女こそ、世界に1人だけのなでしこだ。

 少年団創設33年目で初の快挙は、紅一点の司令塔がもたらした。唯が6年のとき京都大会を制し、悲願の全国大会に出場。勝ち点差1で決勝トーナメントを逃したが、予選ブロックで堂々ゴールを決めた。女子による得点は大会史上2人目の快挙。ちょっぴり脚光を浴びた。それでも本人は…。

▼男の子になりたい

 唯「全然通用しなかった。体が小さかったから、当たられたらすぐ倒れて悔しい思いばかり。体がデカいとか、自分にないものを男子はみんな持ってたんで、なんで自分にはないんだろうって…。男の子になりたい!って思いました」

 一選手としても“全国制覇”を追い求めた。知人の紹介で日本サッカー協会(JFA)が運営する中高一貫の養成校「JFAアカデミー福島」の存在を知り、門をたたいた。中学進学を前に「全国にはビックリするようなすごいやつがおる。腕試しすればいい」と父に促され記念受験…のつもりが、3段階の試験をどんどんクリアしていくうちに、欲が出た。

 唯「なでしこジャパンになるには一番の近道だと思った」

 最終試験を前に入校の意思を確認され、二つ返事で越境留学を決意。小学校を卒業後、縁もゆかりもない東北で新たな挑戦が始まった。

 「成宮唯」の名が初めてメディアで躍ったのは、昨年11月。中国で開催されたU‐16アジア選手権で日本が全勝優勝を飾り、主将&司令塔としてチームを引っ張った成宮は大会MVPに選ばれた。「ポスト沢!」。尊敬する先駆者の名で呼ばれ、恐縮した。

▼沢さんのように

 唯「『苦しいときに私の背中を見なさい』という沢さんの言葉を本で読んで、素晴らしいと思った。将来、沢さんのような選手になりたい」

 沢のプレーにあこがれるワケは?「運動量でしょ。判断の速さでしょ…」。挙げればキリがない。でも、一番はこれ!

 唯「沢さんがボールを持つと、相手はみんな、ビビってるでしょ」

 今年2月。日本女子代表の合同合宿が和歌山で開催され、成宮はU‐17日本代表として参加。初対面を心待ちにしていた沢は故障で不参加だったが、姉さんなでしこを相手に、周囲をビビらせた。

 なでしこジャパン・佐々木則夫監督が熱視線を送るピッチで世代間の練習試合が行われ、3世代4チーム76選手が激戦。最年少カテゴリーのU‐17代表で主将を務める成宮は、なでしこジャパン主体のフル代表候補から決勝ゴールを奪い、1‐0の番狂わせを演じた。合宿最大の下克上を遂げた当時16歳の唯は、カメラの放列にかわいらしくVサイン!

 唯「自信にはなったけど、攻められてばかりだったので…。満足してはいけないと思う」

 冷静な本人をよそに、飛び飛び級で五輪も!と翌朝の報道は熱を帯びた。

▼福島に勇気を!

 現在、JFAアカデミー福島の選手は、静岡県御殿場市の施設で練習に励む。活動拠点だった福島県楢葉(ならは)町のJビレッジとアカデミー生の寮は東日本大震災で被災。原発事故の余波で全員が避難を強いられ、集団疎開した格好だ。

 唯「福島に帰りたい思いはあった」

 震災翌日、いわき市の体育館で一夜を過ごしたアカデミー生のもとへ、楢葉町役場の職員が手作りのおにぎり100個を届けてくれた。

 唯「あの味は一生忘れない。ずっと、街の人の支えや助けがあったんだなって。福島で不便なく過ごせたことを、当たり前だと思っていた自分が情けなかった」

 福島に恩返しをしたい。無類のやんちゃ娘は、直面した未曽有の天災を機に、「人」として成長を遂げた。

 唯「目標は世界一。優勝する自信はある。もう一度、MVPを獲りたい」

 今秋9月に開幕するU‐17女子W杯を「成宮の大会」にする。愛犬の名は「制覇」。照準は「世界」に修正された。

  ◇  ◇

▽成宮 唯(なるみや・ゆい)

◆好きな選手 リバウド

◆誕生 1995年2月22日京都市生まれ

◆家族 両親と兄2人

◆サイズ 154センチ、43キロ

◆血液型 B

◆利き足 右

◆好きなサッカー選手 リバウド(元ブラジル代表)

◆好きなアーティスト AK‐69、倖田來未

◆好きなお笑い芸人 森三中

◆得意料理 コロッケ

◆夢 世界一

◆経歴 父・健志さんの影響で小学2年のとき、太秦サッカー少年団でサッカーを始める。中学進学と同時にJFAアカデミー福島入り。東日本大震災で被災し、チームは静岡に練習拠点を移す。11年のU‐16アジア選手権では優勝して大会MVPを獲得。U‐17日本女子代表主将。MF。

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