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“沢の相棒”阪口夢穂の素顔に迫る

2012年5月4日

約1カ月同居していた岩清水梓(左)と阪口夢穂は、チームでも代表でも気心しれたパートナー=東京・稲城市の日テレベレーザのクラブハウス(撮影・吉澤敬太)

約1カ月同居していた岩清水梓(左)と阪口夢穂は、チームでも代表でも気心しれたパートナー=東京・稲城市の日テレベレーザのクラブハウス(撮影・吉澤敬太)

 なでしこ戦士の素顔を追う新企画「なでしこプレミアム」の第1回は、日テレ・ベレーザのMF阪口夢穂(24)。なでしこジャパンでは“不動のボランチ”として活躍するが、もともとは前線の選手。佐々木則夫監督にコンバートを告げられたときの戸惑いや、左ひざ前十字じん帯断裂という大けがを負ったときの心境、五輪イヤーに移籍した理由、そしてロンドン五輪にかける思いを包み隠さず話した。

 ドイツW杯で沢(INAC神戸)とダブルボランチを組み、日本を優勝に導いた阪口の姿は記憶に新しい。阪口=不動のボランチ。そんなイメージを持たれがちだが、もともとはFWやトップ下など、前線でプレーする選手だった。転機が訪れたのは08年北京五輪直前。日本女子代表・佐々木監督に、沢とともにボランチにコンバートされた。

 「え?私が?って感じで(笑)。戸惑い、不安、驚き…でしたね。ヘディングが得意ではね返す力があるからということでした。キックも得意ですし、展開力についても言われました。守備はゼロに等しいですけど(笑)」

 それまで経験したことのないポジション。沢とともに試行錯誤の連続だったが、代表の先輩である酒井與恵(ともえ)さん(元日テレ、現姓加藤)らの動きを参考にしながら成長を遂げ、そして“世界一のボランチ”の座に上り詰めた。

 「(コンバートしてもらい)良かったと思ってます。今のポジションの方が、自分の良さが生きてる気がします。ちょっとずつ(ボランチを)好きになってる自分がいますね」

 サッカーを始めたきっかけは兄・憂也さん(26)。兄はロックバンド「chaqq」でドラムを担当し、違う道を進んでいるが、twitterで阪口に激励のコメントを送ることもある。

 飛び抜けて運動神経が良かったわけではなく、他の競技に“浮気”することもなかった。順調に見えたサッカー人生だが、一度だけ大きな試練が訪れた。

 「今まで一番辛かったのは、大けがをしたときですね」

 代表でも頭角を現しつつあった09年。当時所属していた米国プロリーグ・FCインディアナで、練習中に左ひざ前十字じん帯断裂の重傷を負った。米国で手術したが、すぐにプレーを再開できる状態ではなく、ほぼ1年を棒に振った。だが、今ではそんな経験すらプラスにとらえている。

 「けががなかったら、W杯優勝とか今(の栄光)はないと思います。今まではけがをした人に対して、うわべだけの言葉で『大丈夫、大丈夫』と言っていましたけど、けがをしてからは本当にその人の気持ちが分かるようになりました。サッカーに対する思いも改めて確認することができましたし、今は(けがが)あって良かったと思っています」

 今季、新潟から日テレに移籍した。けがを抱えていた阪口に手を差し伸べてくれた新潟には、もちろん恩義も感じていた。五輪直前の移籍は、それなりのリスクも伴う。それでもチャレンジ精神を抑えることはできなかった。

 「環境を変えたかったという言葉に尽きます。新潟が嫌になったわけではないです。五輪イヤーだし動かない方がいいという声もありましたけど、思ったときに行動を起こさないと後悔しちゃうから」

 新潟で過ごした2シーズンは、タイトルに恵まれなかった。特に決勝まで駒を進めた昨季の全日本女子選手権では、INAC神戸に0‐3と完敗。悔しい思いとともに力の差も痛感させられた。

 「全チームにもちろん勝ちたいです。INACには無敗で優勝させたくない気持ちはあります。来たからには優勝したいですね」

 東京での生活は、トラブルから始まった。入居先を決めていざ引っ越しというところで、都合により1か月先まで入れないことが判明。新しいチームメート、DF岩清水の誘いを受けて、同居生活が始まった。

 「岩清水家は実家なんですけどね。ずうずうしく家族の一員として居候してました(笑)。昔からいた感じで『ただいま!!』って帰って、『行って来るわー!!』って出て行って、イワシ(岩清水)より先に帰ったりすると『おばちゃん、ご飯!!』って感じで(笑)。もともと顔見知りだったのもありますけどね」

 ロンドン五輪金メダルがなでしこジャパンの目標だが、一方で本大会に出場できるのは18人という狭き門。確約されたレギュラーは1人もいない。所属先でのアピールが大切になってくる中、右でん部痛で開幕から2試合欠場と出遅れた。

 「18人に入ったわけでもないので、まずはメンバーに残るためにチームでいい結果を残すことが大事ですね。焦っても仕方ないので、できることをやるしかないです。出たときに頑張りたいです」

 リーグ開幕戦は有料にも関わらず、無料で行われた昨年の4倍近い1219人が訪れた。なでしこ人気はまだまだ続いている。

 「勝ち続けて結果を残さないといけないですね。結果がすべてなので。有料試合であんなに来てくれるなんて思っていませんでしたし、これからもまた見に来ようと思えるような試合をしないといけないです。じゃないと、デイリースポーツさんも取材に来てくれなくなっちゃう(笑)」

 高まる一方のなでしこ人気を、一過性の“ブーム”では終わらせない。

  ◇  ◇

阪口 夢穂(さかぐち・みずほ)

◆誕生 1987年10月15日、堺市生まれ

◆サイズ 165センチ、58キロ

◆血液型 O

◆利き足 右

◆好きなサッカー選手 「ころころ変わるんですけどね。最近シャビ好きが増えてきてるんで、カシージャス(レアル・マドリード)。顔が」

◆好きなアーティスト 「ミスチルです。10日にアルバム出ますよ。今までにリリースされたのは全部持ってます。ライブは行ったことないんですよね。死ぬまでに一度は行きたいですけど、チケットが取れないんです…」

◆ファミリー 両親、兄、弟、妹と犬が2匹

◆座右の銘 なるようになる

◆経歴 小学時代に始め、下野池少年SC‐ラガッツァFC高槻。16歳だった03年からトップのLリーグの試合に出場。06年からTASAKIでプレーしたが、08年の休部を受け、米プロリーグ・インディアナへ。10年から新潟、今季から日テレ。08年北京五輪に出場。代表通算51試合16得点

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