高木菜那 連覇霧散 また最終コーナーで無念転倒「スケートが持って行かれちゃった」
「北京五輪・スピードスケート女子マススタート・決勝」(19日、国家スピードスケート館)
スピードスケートのマススタートが行われ、女子は団体追い抜き決勝で転倒した高木菜那(29)=日本電産サンキョー=が予選の最終周最終コーナーで転倒し、決勝進出を逃した。佐藤綾乃(25)=ANA=は8位入賞。男子は土屋良輔(27)=メモリード=が6位、一戸誠太郎(26)=ANA=が8位で入賞した。
15周と4分の3を走り終え、もうゴールは目前。ラスト1周で先頭に出て、最終カーブを駆け抜けていた、その時だった。高木菜の左のエッジがするっと抜け、転倒。団体追い抜き決勝で転倒したのと、ほぼ同じ位置でのアクシデントだった。
何とか起き上がり、無念の表情でゴールラインへ。「左足が言うことを聞かなくなっていた。ラスト、足(に疲労)がきて、スケートが持って行かれちゃった」と振り返った。
コロナ禍のため、昨季は海外遠征ができず。今季もW杯では個人種目に優先して出場したため、2季ぶりのマススタートだった。
鋭い勝負勘で前回大会は女王の座をつかんだが、「どういうふうにレースをしたらいいか分からない部分があった」と高木菜。「今までなら直感的に動けていた。でもそれは言い訳にはならない。どんなレース展開でもいけるような体力がないとダメだった」と、冷静に受け止めた。
団体追い抜きでの転倒後は涙に暮れたが「自分を責める人はいなかった。それ以上にみんながいつも通り接してくれたのがありがたかった」という。今回のレース前は「怖かったし不安はあった」が「励ましの言葉があったからこそ、笑顔になれるレースがしたいと気持ちを切り替えられた」。笑顔満開とはならない無念の幕切れ。悔いの残る3度目の五輪だった。