小林陵 3位突破!メダルへ視界良好 日本全4選手予選突破

 着地する小林陵侑から無数の影が延びる(撮影・高部洋祐)
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 「平昌五輪・スキージャンプ男子ラージヒル・予選」(16日、アルペンシア・ジャンプセンター)

 男子ラージヒル(ヒルサイズ=HS142メートル)の予選が行われ、ノーマルヒルで日本勢最上位の7位入賞した小林陵侑(21)=土屋ホーム=が、この日最長不倒となるヒルサイズ超えの143・5メートルを飛び、3位で17日の決勝進出を決めた。決勝ではソチ五輪銀の葛西紀明(45)=土屋ホーム=に続く2大会連続のメダル獲得の期待が懸かる。葛西紀明は122・5メートルに終わり22位、竹内択(30)=北野建設=が27位、小林潤志郎(26)=雪印メグミルク=が37位で、日本勢は4人全員が予選を通過した。

 平昌のきまぐれな風は、小林陵のために吹いているのか。“レジェンド”葛西たちが不安定な風に苦しむ中、21歳の若武者だけが味方につけている。絶好の向かい風に乗り、ヒルサイズを超える143・5メートルの大ジャンプを披露した。

 “メダル圏”となる3位での決勝進出に「風に乗れて気持ち良かった。ヒルサイズ超えはW杯でもない。それを考えるとすごい嬉しいですね」。普段からあまり感情を表に出さない男が、少しだけ顔をほころばせた。

 土屋ホームの監督で師匠となる葛西からは、「まあしっかり五輪を味わえ」と指令を受けて臨んでいるが、この夢舞台で目を見張る急成長ぶり。予選のジャンプを見た葛西も「すごくいいですね。今日はゲートも上で、風もよかったけど、それなりに大きな舞台で結果を出せるようになっている。自信をつけてきている」と、目を細めた。

 17日の決勝に向けて、小林陵は「明日この風がきてくれたらよかったんですけど」とぼやきつつ「2本揃えるのは難しいけど、ワンチャン(ワンチャンス)あると思う」と、しっかりとメダルというターゲットを見据えた。“レジェンド”の薫陶を受ける次代のエース候補が、ジャンプ日本男子の救世主となるか。

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