【一問一答】渡部暁斗「金メダルを取らないと、僕は次に進めない」

 個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得し笑顔の渡部暁斗(左)。中央は優勝したドイツのエリック・フレンツェル=平昌(共同)
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 「平昌五輪・スキー複合個人ノーマルヒル」(14日、アルペンシア・ジャンプセンター、アルペンシア距離センター)

 ソチ五輪銀メダリストの渡部暁斗(29)=北野建設=が2位となり、2大会連続の銀メダルを獲得した。渡部暁は前半のジャンプで105・5メートルを飛び3位につけると、首位と28秒差でスタートした後半の距離(10キロ)では、最後はソチ五輪金メダリストのエリック・フレンツェル(ドイツ)との一騎打ちに持ち込んだが、ラストスパート勝負で及ばず、“シルバーコレクター”を返上できなかった。悲願の金メダルは、20日のラージヒルに持ち越された。

 -惜しくも2位。

 「(フレンツェルとは)確実に走力の差がある。ああいう展開になると厳しい。うまく走って体力は残せていた。(スパートは)来ると分かっていたんですけどね。やっぱりちょっと微妙に勝ちきれなかった」

 -展開は。

 「全部プラン通り。風が強かったし、引っ張り合うことになると思っていた。フェアな戦いができた。もう少し(3位の)クラッパーが出てくれればよかったけど。まあ勝ったからいいかな。あとは自力の差でしたね」

 -2大会連続のメダル。

 「メダルを獲れたのは素直によかった。やっぱりあるのとないのとでは全然違うから。ラージヒルに向けて、楽になるというと変だけど、1個持ってるのと、持っていないのでは次へ臨む上で重圧が違う」

 -4年前との違い。

 「4年前は(メダルを)持ってないものを初めてメダルを獲って、気持ちが切れた部分があった。今は冷静に受け止められている。獲れるものを獲ったという感じ。あとはもう一ついい色のメダル獲るってことに集中できる」

 -金メダルへの距離。

 「距離自体は近いと思う。ジャンプもいいし、距離もいい。ただ、五輪というのは運がいる。今日も(ジャンプで)風がきまぐれだったし、僕の前のノルウェー勢がぼとぼと落とされているし。僕としては金メダルを獲れる準備はできている。あとはいい流れを向けられるように過ごしたい。チャンスは4年前より大きい。頑張りたい」

 -フレンツェルはW杯では不調だったが、ここにきて調子を上げてきた。

 「ビッグタイトルに強いですよね。より強くなった」

 -立ちはだかってくる。

 「邪魔されたという思いはない。僕は楽しかったですね。他の誰かと戦うよりフレンツェルと戦う方が面白い。年も一緒だし、前回も戦っているし、そういういいライバル関係を築けている。いいライバルといい勝負ができて、それを日本の皆さんにも見てもらえた。今日はチャンネルを変えられなかったかな。これで変えてる人がいたら、ちょっと」

 -最後の上り坂からマッチレース。

 「くるなとは思っていた。僕もここで行くぞという気分だった」

 -引っ張っていくレースをフレンツェルにやられた。

 「そこが彼のいいところというか、僕が尊敬しているところ。やっぱり引いて守るのではなく、僕も引っ張りましたし、彼も同じぐらい引っ張った。ちゃんとそういうフェアな戦いをしてああやって勝ちきる。自分の求めている理想でもあるし、そういう選手が僕は好きなんで。彼が勝ってくれてよかった。クラッパーが勝つよりは。あんだけ後ろに下がってひょいって勝たれるよりは、フレンツェルがちゃんと勝ってくれてよかった」

 -ラージヒルに向けて、自信はついた。

 「自信は4年前の方がついたんじゃないですかね。今はもう一度獲ったことがあるものを獲っただけ。そんなにこれで自信をつけるということはない。僕が次に自信をつけるとしたら、五輪金メダルを獲らないと、僕は次に進めない。僕はそこを目指したい」

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