愛がうれし泣き!快挙「銀」以上確定

 「ロンドン五輪・卓球女子団体・準決勝、日本3-0シンガポール」(5日、エクセル)

 日本の福原愛(23)=ANA、石川佳純(19)=全農、平野早矢香(27)=ミキハウス=が3‐0で北京大会銀メダルのシンガポールに勝ち、決勝進出で銀メダル以上を確定させた。五輪の卓球で日本のメダル獲得は男女を通じて初めて。7日の決勝で中国と対戦する。第1試合で福原が女子シングルス銅メダルのフェン・ティアンウェイに3‐1で勝つと、第2試合で石川はワン・ユエグを3‐0と圧倒、第3試合のダブルスでも平野、石川組が3‐0でワン、リ・ジャウェイ組を破って勝負を決めた。

 夢にまで見た瞬間だった。ダブルスで勝利を決めた石川と平野が強く抱き合う。ベンチで見届けた福原は顔をくしゃくしゃにして、村上監督の胸に飛び込んだ。全員の頬をうれし涙が伝っていった。決勝進出で、男女を通じて日本卓球界初となるメダルが確定。卓球を始めて20年。様々な思い出が福原の脳裏を駆け巡った。「ここまで長かった。自分一人だったらとっくに諦めていた」。

 悲願への流れを引き寄せたのは、福原の1勝だった。第1試合、相手は過去4年間の対戦で1勝8敗と苦手だったフェン・ティアンウェイ。今大会のシングルスで石川を退けて銅メダルを手にした強豪に粘り強く対処した。接戦をものにし、第2ゲームまで連取すると「集中力の戦いだと思った」と、第3ゲームを落としても気持ちを落とさなかった。第4ゲームも粘って粘って11‐9で勝利。力強く握った拳が、石川、平野を鼓舞した。

 7月の国内合宿。メダルへの思いをもう一度、強くするため、北京五輪の3位決定戦で韓国に敗れたときの映像を見た。画面の中では平野のダブルスで敗戦が決まり、福原がベンチで悔し涙を流していた。あれから4年。頭に焼き付いて離れなかったシーンは、ロンドンで歓喜の絵に変わった。福原は「今度は正反対の光景を見ることができた」と達成感に浸った。

 3歳で始めた卓球。「天才卓球少女」と呼ばれた時から20年間、競技とともに生きてきた。“第2の故郷”ともいえる中国で行われた北京五輪後は、一度競技から離れようと考えたこともある。「完全燃焼してしまって。卓球とは夫婦みたいな関係だと思う。好きとか嫌いとかじゃなくて、一度、離れて頭を冷やすのもありかなと思った」

 しかし、ひたすら五輪メダルだけを目指してきたこの4年で、思いは変化した。「もう人生のほとんどが卓球。性格とかも卓球の中で作られた。自分自身といっても過言じゃないのかな」。負けず嫌いで、悔しくて泣いてばかりいた少女が、20年の時を経て流したうれし涙。ただ、涙の後に浮かんだのは当時と変わらない、屈託のない笑顔だった。

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