山田直輝 浦和去った決意語る

 今季、浦和から湘南に移籍した元サッカー日本代表のMF山田直輝(24)が再出発に燃えている。「試合に出られなければサッカー選手じゃない」とジュニアユース、ユースとあわせて12年間所属した浦和から期限付きでの移籍を決意した。古巣・浦和と対戦する3月7日の開幕戦(BMW)や新天地での意気込みを聞いた。

 山田は19日、都内で行われたキックオフカンファレンスに湘南を代表して出席した。緑の湘南のユニホームに身を包み、壇上で浦和の主将・阿部と握手した。「何も思わなかったですよ。次に握手する時にはガチガチになってるかもしれないですけど」。握手の感想を聞かれた山田は愛くるしく笑った。

 09年に岡田監督時代の日本代表に18歳で選出され将来が嘱望された。しかし、その後度重なる負傷に泣かされた。12年3月には試合中に左膝前十字靱帯を損傷しロンドン五輪に出場できなくなるなど、実力を十分に発揮できなかった。

 傷が癒えた後の昨季もリーグ戦2試合15分間だけの出場にとどまった。昨季の途中、控え組の練習後に「けがをしていた時よりも気持ち的には厳しい」と漏らすこともあった。

 移籍を決意した理由に「浦和の選手である前にサッカー選手」であることを挙げた。身近な人の中からは浦和でのプレーを勧められたこともあったが、「家族も自分で決めてと言ってくれた。経過は話しましたけど、自分で決めました」。赤いユニホームを脱ぐことに、大きな葛藤はなかった。

 湘南のチョウ・キジェ監督はサッカーをプレーする楽しみを取り戻すことを山田に期待している。「毎日、一生懸命に練習をやる。それを直輝にもやってもらいたい。力は小さいころから見ていて分かっている」。他のクラブに先んじて山田獲得に動いていただけに、求めるものは大きい。

 湘南はフィールドプレーヤー10人が労を惜しまず走り、攻守に躍動するスタイルを取っている。「思ったよりも練習がきつかったっす」と笑った山田だが、「どこのチームよりも走り、90分間すきを与えず、相手にプレーさせないような、そういうスタイルなので」と真剣に話す顔は、湘南の選手のものになっていた。

 浦和サポーターに対しても、あえて挑戦的な言葉を発した。「BMWから帰る時に負けたけど、直輝のプレーは良かった、みたいに言ってもらいたい」。サッカーに飢えて浦和を去った山田が、全力で古巣に襲いかかる。

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