佐伯、大敵破り優勝に王手

 「全日本女子アマチュアボクシング選手権・準決勝」(22日、東大阪市・近大記念会館別館)

 来年のリオデジャネイロ五輪へ向け、日本代表を選出する重要な大会でフライ級(51キロ以下)の佐伯霞(19)=近大1年=が8月のアジア大会で銅メダルを獲得した箕輪綾子(28)=フローリスト蘭=を判定3-0で破り、優勝に王手をかけた。23日の決勝は昨年世界選手権で日本選手初の銅メダルを獲得した和田まどか(20)=芦屋大3年=と激突する。

 1回から、接近戦で激しい打ち合い。体格で勝る箕輪につかまれ、リングに転がされた。「クリンチが思ったより強くて、さすが先輩やな」と、佐伯の負けん気に火が付いた。

 2回以降も中央で足を止めてパンチの応酬。最終4回、佐伯は最後までスタミナが落ちず激戦を勝ち切った。

 前日の準々決勝では12年ロンドン五輪候補だった新本亜也(29)に勝利。ベテランの強豪2人を突破したことに「きのうに引き続き、打ち合いが楽しかった。気持ちでは負けないと。それが体に染みついているので勝てました」と満足そうな顔をした。

 11年、14歳時に女子世界ジュニア(48キロ級)を制し、“天才少女”と騒がれた。AIBA(国際アマチュアボクシング協会)主管の世界大会で日本選手の優勝は男女、シニアを通じて初めてのことだった。

 「リオ、東京で金メダル」を目標に国内屈指の環境を誇る近大に進学。偉業から5年、同大でヘッドコーチを務める元WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男さんのマンツーマン指導を受けてきた。

 女子ボクシングは12年ロンドン五輪から正式競技となったが、フライ、ライト、ミドル級の全3階級とも日本は出場枠を獲得できなかった。リオで女子初の五輪代表となるには今大会で優勝して日本代表となり、来春のアジア大会で上位進出する必要がある。

 佐伯は五輪枠のないライトフライ級(48キロ以下)で出場した8月のアジア大会で大柄な外国人に完敗した。154センチと小柄で、フライ級ではパワーの差は否めない。同部の関係者によれば、今大会はライトフライ級でエントリーし、20年東京五輪に絞ることを勧められたが、号泣して拒否。「フライで行かせて下さい。お願いします」と強行志願した。

 決勝の相手・和田は、今大会では1勝1敗ながら「(対戦成績は)自分の方が負けている」と言う格上。「何回もやっている相手だし、いいところも悪いところも分かっている。チャンスをものにしたい。気持ちで頑張る。ここで負けていてはオリンピックはダメになる」。19歳が大一番に挑む。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス