橋下市長、京都大総長へ見解求める

 大阪市の橋下徹市長(45)が5日、京都大大学院教授で内閣官房参与の藤井聡氏がネット動画で橋下氏について「ヘドロチック」などと酷評している件で、近く京都大総長宛に見解を問う書面を送付することを表明した。京都大の対応次第では、維新の党による国会質疑に持ち込む可能性も示唆した。大阪市役所で行われた定例会見で記者団の質問に答えた。

 これまでに藤井氏はネット動画で橋下氏に関して「ヘドロチック」「問題意識は私利私欲」「絶対にツレ(友達)なったらアカン」「腐る最先端」などと酷評していた。

 この日、橋下氏は「今度、京都大学の総長宛に申し入れをするように指示しました」と、現在、維新の党および大阪維新の会で、書面や動画の“証拠DVD”などを鋭意作成していることを明かした。

 橋下氏は「大学教授が政治を語ること、政治家を批判・論評するのは健全な民主主義では当然のことと承知している」としたうえで「あの『ヘドロチック』とか『私利私欲』とかどうなんですかね。まあ僕もきれいな人間ではないけど、あれは限度を超えて調子に乗っている。税金が投入されていて、全くの私人ではない国立大学の教授の発言としてどうなんだとただして、聞いてみたい。総長の回答を求めます」とした。

 「研究内容とか通常批判とか、大学の自治、学問の自由に絶対介入しない範囲で、度が過ぎているのなら注意してゆくのも、政党の役割だと思っています」と橋下氏。京都大から回答がない場合などは「そこでまた考えますけど、明確な回答がなければ、維新の党で国会で聞いていくということもある」とけん制した。

 藤井氏に対しては「会ったこともないのに『あいつ』『こいつ』と。一体、どんな人なのか」と苦笑い。「そこまで言うなら、きっちりただしていきますよ。だいたい、勘違いしている人間は、総長となれば『ははーっ』となる」と痛烈に批判した。

 一方で、これとは別個に、橋下氏は推進する大阪都構想に批判的な藤井氏に対し、大阪維新の会として公開討論を要求する書面を送付している。この日の段階では「まだ(回答は)ないです」と説明。ただ、最近に藤井氏が出演したテレビ番組で「中立的立場」と発言したことを挙げ、橋下氏は「反維新の団体の集会に出ておきながら、この人は本当に…なんともセコい学者の典型例。もう、この子チンピラだけは、きっちりただしていきますよ」と“チンピラ以下”との表現をし、エンジン全開だった。

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